レストランでの外食や煎餅果子の露店で携帯電話でコードを読み取って会計できるほか、顔認証での支払いも可能になり、海外での「爆買い」でもモバイル決済が利用できるようになっている。2017年、モバイル決済は急成長期に入り、第3四半期だけで中国のモバイル決済額は29兆5000億元に達した。この1年で、中国のコード読み取り決済の市場規模は9000億元を超える見通し。
海外のコンサルティング会社は、中国は世界最大のモバイル決済市場になり、世界をリードすると見ている。電子決済の急成長に伴い、現金払いの比率は低下し続け、アナリストが考える「軽現金社会」が訪れることが予想される。
専門家は、「軽現金社会」は人々に便利をもたらすと同時に、情報セキュリティ、支払い習慣、さらには国の金融セキュリティなどにも試練をもたらすと見ている。「軽現金社会」の健全な発展をどのように促すかが課題となる。
モバイル決済は世界的な傾向になっている。海外の先進国の多くは「軽現金」になる過程で紙幣からクレジットカード、モバイル決済へと移行した。一方、クレジットカード普及率が低い中国はモバイル決済に直接移行した。
また、「軽現金社会」の到来に伴い、問題も浮き彫りになっている。専門家は、技術面、コード読み取り決済にはセキュリティの弱点や潜在的問題もあると考える。市場においては、一部の第三者決済機関は準備金を流用したり、不当な競争を展開したりし、市場の秩序を乱している。コンプライアンスにおいて、一部の市場機関は違法なアクワイアリングなどを行う可能性がある。これについて、中国人民銀行はコード読み取り決済の新規定を交付し、決済機関の顧客準備金の集中管理、預金比率の引き上げを実施し、決済市場の整備を強化した。
そのほかにも解決が待たれる問題がある。例えば、「軽現金社会」は高齢者、非識字者、障害者などを傷つけ、敏感な個人情報の漏洩、個人の財産管理リスクにもつながる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月22日