全国各地がこのほど、2017年の経済成績表を次々と提出している。国内総生産(GDP)が1兆元の大台に乗る都市・地区が増えており、国内外から注目されている。アナリストは、中国経済が長期的・安定的・健全に発展する大環境の下、「1兆元クラブ」の仲間入りを果たす都市・地区が増えるのは必然的だと指摘した。重要なのは、中国経済が高度成長段階から高品質発展段階に移っており、GDPやデータそのものよりも、各地が経済発展の過程において実際に「革新、調和、グリーン、開放、共有」をより重視できるようになったことだ。これにより「1兆元クラブ」の質と効果が、今日注目すべき焦点となる。
地域成長のエンジンが稼働
江蘇省統計局の計算によると、無錫市の2017年のGDPは7.4%増の1兆511億8000万元で、「1兆元クラブ」に入った。また長沙市の関係者が発表したデータによると、長沙市の2017年のGDPも1兆元を突破し、中西部では重慶市、成都市、武漢市に続き4番目に1兆元を突破した都市になった。その建設機械、新材料、電子情報、食品、自動車製造、文化・創意、観光という7大1000億元級産業クラスタが形成されつつある。
無錫市と長沙市の前に、全国12都市が1兆元クラブに入っていた。上海市は2006年に、北京市は2008年に、広州市は2010年に1兆元を突破。2011年には深セン市、天津市、蘇州市、重慶市が「1兆元クラブ」に入った。中西部の武漢市と成都市は2014年に、杭州市は2015年に、南京市と青島市は2016年に仲間入りを果たした。現在の発展状況を見ると、寧波市、佛山市などの都市も次年度には仲間入りする見通しだ。
国務院発展研究センター発展戦略・地域経済研究部研究員の劉勇氏は、インタビューに応じた際に「経済安定成長の実現は、各地の発展の主な流れ・方向性だ。1兆元クラブの拡大は、経済の持続的かつ平穏な成長の必然的な結果であり、中国地域経済の発展が依然として極性化の段階にあることを示している。つまり企業の規模が拡大し、産業集積度が高まり、要素が成長源に密集し、地域全体の経済成長をけん引するということだ」と述べた。
ペースよりも質を重視
注目すべきは、多くの「1兆元クラブ」のメンバーが、経済発展の質向上を取り組みの重点としていることだ。
天津浜海新区は先ほど、GDP規模拡大に有利な登記・統計方法を捨て、GDP統計に含まれる「水分」を自ら絞り出した。現地は、毎年のGDP成長は地域経済規模の成長を反映すると同時に、データのペースを追い求めるハロー効果を引き起こしていると判断した。GDP規模及び成長率を単純に追い求めるという荷物を下ろし、ペース重視やギアチェンジの焦りを捨てることで、初めて落ち着いて深呼吸し力を養い、質と効果と環境保護を重視し、経済の高品質成長をより良く実現することができる。
中国社会科学院経済研究所の高培勇所長は、「経済発展は単純な規模の拡大から、人々のより高い基準と多元的な需要を満たす段階に転じるべきだ。高品質発展段階において、一般人はより高級な商品と高品質のサービスを利用できるようになる。消費の安全がさらに保証され、衣食住でより安心できるようになる。生活環境におけるエネルギー消費と汚染が減少し、生態環境が改善され、生活の質と健康水準も高まる」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月22日