2018年の見通しについて王副部長は、「対外貿易は安定と改善に向かう傾向が続く一方で、いくつかの問題と試練にも直面する見通しだ」と指摘した。具体的には、①世界の産業配置計画が調整を迫られ、新たなバリューチェーンの形成が追いつかないため、産業配置のペースが遅くなる。②不透明要素が増え、貿易保護主義がエスカレート、一部で反グローバル化の動きが目につくようになる。③中国の既存産業の競争力が低下する。例えば、労働集約型産業の移転が進行中だが、移転が完了しないうちに新規受注が他へ移転、流出する。④規模から見て、中国の外資導入額はまだ相対的に少なく、中国経済への外資の寄与度も注視する必要がある。――との見方を示した。
王副部長は、「対外貿易の拡大、貿易の新業態・新モデルの育成、貿易強国の建設推進は、中国共産党第19回全国代表大会で提起された課題だ」と強調した。これを踏まえ、第1に、第19回党大会の精神を徹底し、貿易強国の建設を着実に推進、対外貿易のモデル転換と構造調整を加速、新たな競争の優位性を育み、対外貿易の量的成長から質の高い発展への転換を実現する必要がある。第2に、市場への参入規制を一段と緩和し、特にサービス業の対外開放を拡大、中国の外資導入をめぐる国際競争力の向上を図る。第3に、多国間および地域協力を強化する。開放的な世界経済の構築と経済のグローバル化を推し進めるには、多国間貿易体制と地域自由貿易協定という車の「両輪」が必要だ、――と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年1月29日