「中国の外資導入額は多くなったのではないか?という見方が出ているが、中国は対外投資に注力し始めており、外資導入額と同水準かまたはそれを上回っているように感じられる」。中国商務部の王受文・副部長は27日の「国研智庫(DRTT)フォーラム・ニューイヤーフォーラム2018」で、外資導入について様々な見方があることに言及し、「規模の上から見れば、中国の外資導入額は多くなく、むしろ少ない」との見解を示した。
王副部長は、「中国の外資導入環境は持続的に改善しており、外資の産業構造と地域の分布状況も適正化している」とし、「昨年の中国の外資導入額は1300億米ドル以上だったが、米国の外資導入額は中国の約3倍かそれ以上に上る」と数字を挙げて説明した。そして、「米国のGDP(国内総生産)は中国より約50%多いが、外資導入額は中国の3倍だ。中国の外資導入額の対GDP比は1.2%にとどまるが、インドは約2%に上る。1人当たりの数値に換算すると、中国の外資導入水準はさらに低くなる」と述べた。
対外貿易の情勢について王副部長は、次のように説明した。2017年の中国の対外貿易は安定と改善に向かい、予想を上回る成長を実現した。2017年の中国貨物貿易における輸出入総額は27兆8000億元と、前年比で14.2%増加した。貿易構造も一段と適正になり、民営企業の占める割合が増えつつある。一般貿易の伸び率はすでに加工貿易を大きく上回っている。貿易の内的成長力も強まり、金融環境も改善、コモディティ価格も安定的に上昇し、国際市場の需給も回復傾向を維持している。サービス貿易は中国の対外貿易の新たな成長分野となり、イノベーションによる発展の効果が顕著に現れている。「一帯一路」建設も中国の対外貿易に新たな発展の余地を提供した。