先ほど開かれた世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)において、米国のトランプ大統領は、すべての貿易は米国の利益という「公平」に基づくことを前提としなければならないと再度強調した。また「我々は自由貿易を支持するが、公平かつ互恵でなければならない」と述べた。トランプ大統領が「米国ファースト」と公平な貿易をイコールで結んでいるが、これは他国にとっては難解だ。
米国は自国が「不公平」な扱いを受けていると感じている。中国を含む一部の国との貨物貿易の巨額の赤字が、その大きな原因となっている。周知の通り、貿易赤字の形成にはさまざまな原因がある。外部の要因のほか、自国の社会の旺盛な需要、財政赤字、外資流入、為替相場などその他の要因もある。貿易赤字の外的要因だけを強調し、その他の要因を回避するならば客観的ではなく、全面的でもない。
貿易が公平であるかを判断する際には、貿易額だけではなく実際の利益にも目を向ける必要がある。例えば米国の一般人は輸入により、コストパフォーマンスの高い多くの商品を購入できる。投資により、米国の海外企業は利益を拡大できる。データによると、米国の各世帯は毎年、中米貿易によって平均850ドル以上節約できる。米国側が手にしているこのメリットを見れば、不公平とは言えないだろう。
トランプ大統領は演説中、現在は米国で投資をする大チャンスであると述べ、世界に招待状を出した。しかしこれまでの事実を見ると、海外企業が米国で投資をしようとすると、「米国のルール」に阻まれている。米国は「国家安全」の名義により海外企業を拒んでいる。これは自由な貿易だろうか、それとも保護貿易だろうか。
米国は早くから自由貿易を通じ他国の扉を開き、先進技術と国際ルールの支配により、大きな経済的利益を手にした。国際貿易・投資に参与する新興国が発展・成長し、米国と競争し利益を脅かすようになると、「米国ファースト」という公平な貿易を宣伝するようになった。これはボクシングの試合のようなもので、体力のある時に多めに試合に出場し、体力のない時にルールを変えて自分を優先する。このようなやり方は勝手すぎるのではなかろうか。
国際貿易は互恵とウィンウィンであり、ダブルスタンダードを設定してはならない。「米国ファースト」というスローガンを前提とすれば、それは他国と交流する際の障害物になる。自国の利益を立脚点とする公平な貿易は、他国と自国を損ねるだけだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月29日