中国各地がこのほど、地方「両会時間」に入っている。上海市、浙江省、広東省などの東部沿岸部の政府活動報告では、「自由貿易港」がホットなキーワードになっている。各地は自由貿易港の建設を、今後数年間の開放・発展の新たな目標の一つにしている。
25日の浙江省第13期人民代表大会第1回会議の席上、浙江省の袁家軍省長は政府活動報告で、今後5年間に渡り自由貿易港の浙江省への招致に全力を尽くすと表明した。
広東省の馬興瑞省長も同日の政府活動報告で、広東省自由貿易試験区の改革開放を掘り下げ、自由貿易港の建設を積極的に模索すると表明した。
自由貿易港とは、一国(地域)内の貨物・資金・人員の出入りが自由で、圧倒的多数の商品の関税が免除される特定エリアのことで、世界で開放水準が最も高い特殊経済機能エリアでもある。
中国共産党第19回全国代表大会の報告以降、自由貿易港は中国経済のホットなキーワードの一つになっている。
北京大学国家発展研究院の余淼傑教授は「自由貿易港は、中国が打ち出した国全体の開放新構造の重点活動の一つだ。自由貿易港の建設は世界に対して、中国が開放と改革の掘り下げを続ける姿勢を示す」と指摘した。
業界関係者によると、中国の11カ所の自由貿易試験区と比べると、自由貿易港は通関フロー、市場参入、金融サービス、人員流動、税制などの面で、さらなる改革と全面的な開放に取り組むことになる。
浙江大学経済学員の金雪軍教授は「自由貿易試験区は特定エリアで模索する初期段階だが、自由貿易港は全面的に開放された港湾で、より多くの国際枠組み及び貿易ルールに適応し、連結しなければならない。貿易構造、金融サービス、人員流動などの面で、徐々に世界基準に合わせていく」と話した。
データによると、自由貿易試験区の地方経済けん引効果は顕著だ。寧波市舟山港は2017年、年間貨物取扱量が世界で初めて10億トンを突破した巨大港湾だ。浙江自由貿易試験区の2017年の新設企業数は3000社を上回った。
上海税関の統計データによると、上海自由貿易試験区設立4周年となる2017年10月までに、新規税関登録企業数は1万8000社弱に達し、設立前の2倍弱に達した。上海税関エリア輸出入額は2017年11月まで、前年同月比で13カ月連続で増加した。
金教授は「自由貿易試験区の建設において、中国各地はそれぞれの強みを示した。上海市は金融サービス、国際市場との連結で高い地位を占めている。浙江省舟山市は油製品の貿易自由化改革で強みを示している」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月30日