中国の2017年の経済成長率は、予想を上回る6.9%に達した。そればかりか、多くの重要なマクロ経済指標に、顕著な好転が見られた。中国経済は2017年に重大な成果を手にし、根本的な変化が生じた。
経済指標よりも重要なのは、中国経済の動向の変化だ。この数年に渡り、中国の経済成長率が低下を続け、懸念されていた。中国の経済成長率は低下しているが、底打ちはいつになるのかと推測された。安定成長は近年、中国経済発展の重要任務となっている。
この背景を知れば、昨年の成長率が予想を上回ったことが、何を意味するかを理解しやすくなる。中国の経済成長率が低下するという流れが2017年に根本的に変わり、底打ちしたことが分かる。
多くのマクロ経済重要指標が、この観点を支えている。2017年まで、生産者物価指数(PPI)は5年連続でマイナス成長となったが、2017年にはプラスに転じた。マクロ経済の動向を判断できるPPIのこの変化は、この数年に渡る中国の供給側構造改革に重要な成果があったことを意味する。「三去一降一補」(生産調整、在庫調整、債務圧縮、コストダウン、弱い部分の補強)では生産能力の削減により、石炭・鉄鋼業界の需給構造が改善された。
一定規模以上の工業企業の利益は近年、伸び率が低下する流れを示しており、2016年にはさらにマイナス成長となった。2017年の全国一定規模以上の工業企業の利益の伸び率は、前年を12ポイント上回り史上最高の21.9%に達した。さらに需給基本状況を反映する経済指標である、全国の工業生産能力稼働率は、この5年間で最高水準の77%に達した。
2017年の中国経済の発展を総括すると、「安定しつつ前進」の安定の基礎がさらに固められ、前進の効果がさらに顕著になったと言える。2018年の中国経済は高度成長から高品質発展に移るという基本的な特徴をつかみ、発展の理念を変える。この20−30年に渡り、多くの政府部門と企業は高度成長により、プロジェクトに取り組み投資を行う経験を蓄積した。しかし経済の高品質発展への転換という新時代において、我々は新しい課題に直面している。発展の理念を変え、新たな問題に上手く答える必要がある。
金融政策、産業政策、マクロ調整には変化が必要だ。マクロ調整では構造調整のほか、成長方法や発展モデルの転換も必要だ。我々はまた、2018年中央経済工作会議がこれまでよりも国民生活を強調したことに注意するべきだ。公報も国民生活の各方面について言及した。そのため2018年の中国経済の高品質発展への転換で、重要な審査の指標となるのは、成長方法の転換、構造調整、国民生活の改善だ。
2018年を展望すると、中国経済の発展は重要な戦略的チャンスの時期を迎える。外部環境を見ると、世界経済には数多くの不確定要素が存在するが、全体的な情勢は昨年よりも良好で、このチャンスをしっかりつかまなければならない。国内情勢を見ると、中国経済は2017年に根本的な転換を実現した。2020年に全面的に小康社会を建設するという目標を達成するためには、6%の経済成長率を維持すればいい。そのため中国経済は高度成長やペースばかりを求める必要はなく、数値の問題はもはや中国経済の主な矛盾や問題ではなくなっている。我々は景気低迷や成長率の低下を恐れる必要はなく、成長の質向上と成長方法の転換に専念するべきだ。(筆者・姚景源国務院参事室客員研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月30日