■人民元が世界で円滑に流通
中国政府は2017年に、人民元資本項目の開放促進、人民元による海外直接投資、個人のクロスボーダー人民元決済など複数の政策を打ち出し、多方面から人民元のクロスボーダー決済の利便性向上を進めてきた。
中国金融市場の双方向の開放が推し進められるなか、人民元の国際化にも新たなエネルギーが注がれ、国際的投資家の人民元資産への選好度も高まっている。「白書」によると、金融機関の60%が人民元建て債券の資産配分比率拡大を検討しているほか、取材した銀行など金融機関の35%が人民元建て融資や資産配分比率の拡大を検討している。
中国の金融改革が深化し、国内のマクロ経済が持続的に改善、グローバル貿易と投資も回復するなか、人民元の国際化は比較的有利な外部環境に恵まれたとみられる。
「白書」は、2018年に人民元の国際化が急速に進展し、新たな発展の余地が生じると予想する。「一帯一路」イニシアチブが人民元国際化に重要な戦略的チャンスをもたらし、人民元は「海外への資本輸出+貿易を通じた国内への還流」というスムーズな流通メカニズムを形成、世界に流通して使用されるようになった。このほか、オンショア金融市場の絶え間ない開放とオフショア金融市場の開拓により、人民元は世界でスムーズに流通するようになったとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年2月2日