消費アップグレードという背景もあり、帰省は春節の唯一のテーマではなくなっている。今年の春節連休中には、「年越し旅行」が特に活況を呈した。旅行サイト・途牛旅遊網が21日に発表した「2018年春節ゴールデンウィーク観光消費総括」によると、春節連休中に観光市場は新たなピークを迎えた。また、中国商務部の観測データによると、旧暦の大晦日から1月6日(2月15−21日)の、全国小売・外食企業売上高は約9260億元で、昨年の春節連休中より10.2%増加した。
元高進行、ビザ取得や交通の利便性の向上といった影響があり、域外旅行が依然として春節連休中の旅行の重要な選択肢となった。活況を呈する域外旅行は、中国人客の海外における消費を拡大した。旅行サイトを運営する携程旅行社は、今年の連休中の域外旅行者数が過去最大の、延べ650万人に達すると予想した。旅行とショッピングに1人平均で1万5000元を費やすとすると、中国人の春節域外旅行消費額は1000億元弱に達する。
携程旅行社の域外旅行受注データを見ると、中国人客の間で人気の高い渡航先は、タイ、日本、シンガポール、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、米国、カンボジア、豪州の順となった。タイ、日本、ベトナム、フィリピン、イタリア、スペインなどの便が大幅に増加した。携程旅行社の団体旅行、個人旅行の取引額を見ると、今年の春節域外旅行者の平均消費額は9500元にのぼると見られる。
また春節連休中、文化・レジャー消費も活況を呈した。かまどの神を祭り、年越しをし、新年を祝い、廟会に足を運ぶことが春節の最も喜ばしいことだったが、今やより自由で多様な新年民俗文化が形成されている。途牛旅遊網の観測データによると、2018年の春節連休中には、民俗文化を特色とする体験型旅行が、短距離旅行のブームを巻き起こした。廟会に足を運び、提灯や花を観賞し、今年の福を祈るほか、判じ物を楽しみ、DIYに勤しみ、高足踊りをし、船を漕ぐといった交流中心の楽しいイベントも、多くの観光客の短距離旅行には欠かせない内容となった。
春節連休中の国内映画消費市場も、旺盛な文化消費の縮図となっている。リアルタイムの興行成績(速報)によると、旧暦の1月1−5日の国内映画興行収入は45億元を突破し、前年同期を上回り中国映画市場の記録を更新した。旧暦1月1日の国内映画興行収入は12億6000万元で、前年同日を50%以上も上回ったほか、世界の単一市場における一日の興行収入の新記録を樹立した。
全体的に見ると、国内と域外での年越し、実家と旅行先での年越し、ネット通販や実店舗での買い物など、中国人の選択肢が多様になり豊富化している。さらに今年の春節観光消費市場を見ると、消費者の価格への重視度が徐々に低下し、体験や個性をより重視するようになった。消費アップグレードの特徴が顕著だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年2月22日