国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル事務局長はこのほど英国・ロンドンで開催された会議の席で、「中国が原子力発電の分野で発展するのにともなって、未来の中国は米国に代わり世界最大の原子力国家になることが予想される」と述べた。新華社が伝えた。
米国の金融ニュースサイト「マーケットウォッチ」は報道の中でビロル事務局長の発言を紹介しつつ、「今、世界で建設中の原子力発電ユニットの約3分の1が中国にある。ビロル事務局長の推計では、中国は2030年に米国を抜いて世界最大の原子力エネルギー国家になるという」と伝えた。
IEAのサイトのデータをみると、16年には中国の電力供給全体に占める原子力発電の割合は2%で、40年には4%に上昇することが予想されるという。
ビロル事務局長の説明によれば、「1960年代以降、米国はずっと世界の原子力分野のリーダーだったが、現在は2つの大きな問題があって、米国はこの方面での優位性を失う可能性がある。その問題とは、原子力発電の設備容量を増やすのに極めて大きな制約があること、既存の原子力発電所に耐用年数を延長する計画がないことだ」という。
ビロル事務局長は、「同じような状況は太陽光発電の分野でもみられる。中国は実践を通じて太陽光発電技術を掌握し、コストを引き下げ、現在は海外への技術輸出の準備ができており、他国より効率のよい発電が可能だ」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年2月26日