出稼ぎ労働者が帰郷、中国経済に希望をもたらす

出稼ぎ労働者が帰郷、中国経済に希望をもたらす。

タグ:出稼ぎ労働者 帰郷

発信時間:2018-03-25 09:45:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 雨金村は中国北方の寂しい村だ。ある冬の日の朝、若い男性2人が作業の準備を始めた。現地の果物・野菜の販売だ。この日売ったのは、隣村で収穫したザクロだ。うち1人の「イケメン」はスマホに向かい、「皆さん、始めますよ」と言った。毎日多くの視聴者がライブ配信サイトにアクセスし、イケメンが果物を売るのを見ている。多くの人がネットショップの店主である、彼の仲間の徐鵬飛さん(音訳)に商品を注文している。香港紙『南華早報』が伝えた。

 

 二人は大きな仕事を手がけているわけではないが、このような仕事が中国経済にとって未曾有の希望であることは間違いない。彼らは都市部に出稼ぎに行っていたが、その後帰郷し創業した。彼らは中国の「Uターン創業」という新しい集団を代表している。中国政府は彼らによって経済のリバランスを促進し、都市部繁栄への依存を弱めようとしている。

 

 中国の農家は長年に渡り、新生活を求め都市部に移ってきた。彼らは大都市の建設者になり、中国が世界2位の経済体になる後押しをした。しかしこの移民ブームは悪景況も生んだ。都市部の過度な渋滞を引き起こし、忘れられた農村がさらに貧しくなった。Uターン創業者の登場により、中国政府は農村人口の回流の加速に期待している。中国農業部のデータによると、中国のUターン創業者は現在約500万人おり、中国の広大な内陸部の新規事業届出の3分の2を占めている。2015年末から2017年9月末までの間、彼らは毎日391人のペースで急増した。

 

 都市部の生活費が高騰し、多くの労働者が帰郷を迫られている。その一方で中国の農村部では、新たなチャンスが生まれている。中国政府がインターネット接続と新しい道路の整備に巨額の資金を投じていることから、農村部の現在の通信・交通条件はかつてないほど改善されている。農村部の人は創業し、遠くの顧客とやり取りしやすくなっている。

 

 政府の統計データによると、農村部に帰郷した人の半数が農産物の販売や関連サービスの提供など、電子商取引に従事している。経済学者によると、中国はこのような新型創業者を必要としている。彼らは都市で学んだ技能を持ち帰り、さらに雇用を創出できる。専門家は「(彼らは)中国の都市部と農村部、沿岸部と内陸部の格差を縮小する大きな原動力になっている。中国の今後の成長は、これらの発展が遅れている地域が頼みとなる」と指摘した。

 

 中国は経済の構造調整の時期を迎えている。アナリストは、これまでの成長源であった輸出と投資が勢いを徐々に失っていると指摘した。中国は現在、新たな成長源を求めており、出稼ぎ労働者の帰郷ブームは良き方法に思える。河南省や四川省などで、この集団はすでに影響を生んでいる。現地の成長率は、国全体の平均を上回っている。専門家は、彼らの創業の激増が現地の成長を促していると指摘した。彼らは革新のビジネスモデルを採用し、農村のまだ十分に利用されていない労働力を利用し、東南アジアの低コスト国と競争する。無数の帰郷者が徐々に、着実に中国の農村を変えている。



「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年3月25日

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