トランプ米大統領は北京時間23日未明、米通商代表部が発表した中国に対する「301条調査」に基づき、中国に対し規制措置を講じるよう関連部門に指示を出した。301条調査について、中国は何度もはっきりと立場を表明している。中国商務部国際貿易経済協力研究院長の顧学明氏はこのほど、関連問題について経済日報のインタビューに応じた際に「米中貿易赤字は、ドルの覇権による副産物、支払うべきコストだ。中米貿易不均衡の真の原因は米国にある」と指摘した。
問:米国の対中貿易赤字は、今回の貿易摩擦の火種の一つだが、この問題をどう捉えるか。李克強総理は全国両会(全国人民代表大会、全国政治協商会議)で、「貿易の全体的なバランスを願う」と表明したが、中国はそれに向けどのような措置を講じるか。
答え:米中貿易赤字はシステマティックな経済問題だ。双方の経済構造や国際分業によって決まっており、市場が自ら決めたことだ。米中の巨額の貿易赤字には、その他に主に4つの原因がある。
(一)統計基準の差により、米国の対中貿易赤字が過大評価されている。米国の統計方法によると、原産国を中国とする貨物がその他の経済国を中継し米国に到達する間に高まった付加価値は、中国側の黒字と計算される。かつ対米加工貿易輸出のうち、中国企業は通常注文を受け生産するだけで、設計や販売などを担当しない。米国側の輸入税関申告価格は中国側の輸出税関申告価格を上回り、中国側の黒字が拡大される。世界バリューチェーンにおける貿易付加価値に基づき計算すると、米中の貿易赤字は大幅に縮小される。
(二)国際産業分業による「黒字の移転」。産業移転の加速と中国の加工貿易の発展により、日本、韓国、シンガポール、中国台湾などの国と地域の対米黒字は、中国の対米黒字に転じている。中国はこれらの国と地域から原材料・部品・半加工品を輸入し、加工後に米国に輸出している。これらの国と地域の対米黒字が、中国の対米黒字に転じている。
(三)米国の対中輸出規制が、二国間の貿易不均衡をエスカレートさせている。「対共産圏輸出統制委員会」や「ワッセナー・アレンジメント」など、米国は長期的に対中輸出規制を行っている。厳しい輸出規制は中米貿易を捻じ曲げ、米中貿易赤字が双方の実際の需給関係を反映できなくなっている。多くの有力な米国企業が市場のチャンスを失い、中国側は他国から輸入せざるを得なくなっている。
(四)ドルが国際準備通貨であるための必然的な結果。経済理論によると、準備高の不足は必然的に貿易赤字を引き起こす。米国は国際準備通貨であるドルを直接使うことで実物資源を手にし、かつ資本回流により「準備高の不足」を補う。ドル発行により、貿易赤字を長期的に維持できる。米国の貿易赤字はドルの覇権による副産物、支払うべきコストだ。中米貿易不均衡の真の原因は米国にある。
中国は近年、輸入の積極的な拡大、貿易バランスの促進に取り組んできた。今年11月には第1回中国国際輸入博覧会が上海で開かれる。輸入をさらに拡大するため、関連部門は「輸入拡大による対外貿易バランス促進に関する指導意見」を作成中で、近いうちに発表される見通しだ。一連の政策措置の支持により、中国の対外貿易はバランスの取れた発展を実現することになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年3月29日