相手を必要としているのは、中国ではなく米国=米メディア

相手を必要としているのは、中国ではなく米国=米メディア。

タグ:貿易戦争 米国 

発信時間:2018-04-08 15:28:24 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 ブルームバーグは6日、「相手を必要としているのは、中国ではなく米国」と題した記事を掲載した。要旨は下記の通り。

 

 トランプ大統領はライバルに追い抜かれることを望む人間ではない。トランプ大統領は急速にエスカレートする中国との貿易戦争で、賭け金を増やし続けている。ところが相手を必要としているのは中国ではなく米国だという、極めて重要な現実を理解していない。

 

 米国は中国からの廉価品に強く依存し、低所得者の需要を満たしている。また中国により自国の輸出を支えなければならない。中国は米国にとってメキシコとカナダに次ぐ、今や成長率が最大の世界3位の輸出先だ。また米国の財政赤字は、中国からの輸血を必要としている。中国は米国債の最大の所有者(1兆3000億ドル)で、他にも少なくとも2500億ドルの準政府債を持つ。中国が買わなければ、米財務省の債券が値崩れする。

 

 米国が中国に依存するのは、経済構造における弱点、すなわち国内貯蓄の極度の不足が原因だ。2017年第4四半期の純国内貯蓄率は、国民所得の1.3%のみだ。国内貯蓄が不足し、さらに消費・経済成長を牽引するため、米国は国外の貯蓄残高を「輸入」しなければならない。しかもこれらの資本を手にするためには、大量の国際収支赤字と貿易赤字を生まなければならない。米国は昨年、102カ国との間で商品貿易赤字に陥った。

 

 鏡で自分を見つめ直すべき時に、トランプ大統領は引き続き中国を悲劇の元凶としている。まずトランプ大統領は、米中貿易赤字は5000億ドルであり、米商務省が発表した実際のデータ(3750億ドル)を3分の1上回ると言い張ってる。次に経済協力開発機構と世界貿易機関のデータを見ると、米中貿易バランスの乱れのうち少なくとも40%が、部品の海外生産、中国国内での組立によりサプライチェーン効果を反映していることが分かる。つまり中国で実際に生産される製品の付加価値(いわゆる中国の脅威の核心)を加味すると、米国の貿易赤字に占める中国の割合は47%から28%に低下する。それでも大きな数字とはいえ、トランプ大統領や米商務省の公式データを大きく下回る。

 

 最後に、トランプ大統領の赤字予算により、貿易問題がより深刻になる。低貯蓄の米国経済は、貿易赤字がなければ維持できない。これは貿易赤字の拡大を顧みず保護主義に取り組むという、中国を攻撃する不安な事実を生み出している。トランプ大統領が追加関税を導入すれば、対中貿易赤字は米国のその他の貿易赤字を形成する101カ国に流れる。これらの国は中国よりも高コストだ。つまりトランプ大統領の報復措置は、保護すると主張している(米国の)家庭への課税につながりかねない。

 

 保護主義に基づく関税と世界的な貿易戦争は、1930年代の経済恐慌の泣きっ面に蜂となった。残念ながら、現代史における最も痛ましい教訓が、今や無視される危険にさらされている。(筆者・スティーブン・ローチ イェール大学上席研究員、モルガン・スタンレー・アジア前会長)

 


「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年4月8日


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