中国、金融業対外開放の強いシグナルを世界に発信

中国、金融業対外開放の強いシグナルを世界に発信。中国の習近平国家主席は10日のボアオ・アジアフォーラム2018年度年次総会開幕式で、一連の対外開放措置を発表した…

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発信時間:2018-04-12 16:10:30 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 中国の習近平国家主席は10日のボアオ・アジアフォーラム2018年度年次総会開幕式で、「昨年末に発表した銀行・証券・保険業の外資出資比率規制緩和の重要措置を確実に実施する必要がある」と明らかにした。同時に、開放拡大を進め、保険業の開放を急ぐとともに、外資金融機関の設立に関する規制緩和を行うべきだと述べた。


 これを受けて、中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁が11日午前に金融業の対外開放拡大に関する10項目余りの措置を発表したのに続き、中国証券監督管理委員会(証監会)は「滬港通、深港通」(上海・深セン証券取引所と香港取引所の株式相互取引)の1日あたりの投資上限額を4倍に拡大すると発表した。


  5月1日より1日当たりの上限金額はそれぞれ、「滬股通、深股通」と呼ぶ香港から上海・深セン株への投資枠を130億元から520億元に、「港股通」と呼ぶ上海・深センから香港株への投資枠は105億元から420億元に拡大する。


 中国金融業対外開放のロードマップが明らかになるのに伴い、証券業の開放も進み、一連の新たな措置が向こう数カ月以内に実施される予定だ。◇証券会社、ファンド管理会社、先物会社の外資出資比率の上限を51%まで引き上げ、3年後は無制限とする。◇外資との合弁資本の証券会社の国内株主のうち少なくとも1社を証券会社とする要件を廃止する。◇年内に、合弁資本証券会社だけに設定されていた業務範囲に関する規制を廃止し、国内勢と同等にする。


 証監会の高莉・報道官は11日、「滬倫通」(上海証券取引所とロンドン取引所の株式相互取引)の準備作業を進めており、英国側と共に2018年中の開通を目指すと発表した。


 銀行と金融資産管理会社の外資出資比率規制の緩和は、信託・ファイナンスリース・自動車金融・資金仲介・消費者金融など銀行業金融分野への外資の参入を促す。また、商業銀行が新規に設立した金融資産投資会社と資産運用会社の外資出資比率には上限が設けられない。


 中国社会科学院金融所銀行研究室の曾剛・主任は「中国銀行業の対外開放は、銀行からほぼ全ての銀行業のライセンスを持つ金融機関まで範囲が拡大される。新設の金融資産投資会社や間もなく設立される資産運用会社も対象に含まれ、全方位的な開放が実現する」との見方を示した。


 保険業でも大規模な開放政策が実施される。◇条件に合った外国人投資家が中国で保険代理業務を行うことを認める。◇外資系保険仲介業の経営範囲を開放する。◇生命保険会社の外資出資比率の上限を51%まで引き上げ、3年後は無制限とする。年内に、外資系保険会社が会社を設立する前に2年間は代表処を営むという要件を廃止する。


 「保険業の開放は保険市場の改善を促す。中国保険市場の国際競争力向上につながるほか、保険大国から保険強国に邁進することになる」。北京工商大学保険研究センターの王緒瑾主任は、「保険市場の整備は、保険の『社会の安定剤』と『経済成長の促進剤』としての役割発揮にプラスに働く」と指摘する。


 中国の監督管理部門は今後、より多くの優れた海外保険機関の参入を促す方針だ。具体的には、監督管理政策を見直し、中国市場に参入済みの外資系保険会社に対して、ヘルスケア・高齢者介護・災害保険などの業務への参入を奨励し、外資系保険会社による保険業の新たな経営モデルの模索や中国保険業界の改革への参与を後押しする考えだ。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年4月12日

 


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