中国の李克強総理がこのほど日本を公式訪問し中日韓首脳会議に出席したことで、中日韓協力と中日関係の新たなページが開かれた。日本側は今回の李総理の訪問を非常に重視しており、メディアも盛んに論評している。中日関係の方向性が変わり、比較的良好な改善傾向が続くかどうかについて、両国で楽観的な見方が増えつつある。
その一方、多くの評論で慎重さも目立っている。人々は、中日関係に依然として多くの問題と不透明要因が残っていることを懸念し、両国の関係は昨年来の良好な変化が1つの流れを形成しつつも脆弱性が残るとみており、双方は関係が壊れないように真剣に守る必要があると考えている。
実現が容易ではない中日関係の改善について、我々は下記の点に留意する必要がある。
第1に、中日の世論は双方のどちらが関係改善を強く望んでいるか、どちらがどちらに強く助けを求めているかという考え方に拘るべきではない。
事実、過去7-8年に渡る高度な緊張関係により両国はともに外交面で損失を被り、それぞれ外交上のコストが増加した。中日関係の改善は双方の利益に合致するもので、どちらが改善を急いでいるかは無益な議論であり、方向性を誤る可能性がある。
第2に、中日両国は中国の台頭をめぐるさまざまな反応をうまく処理する必要がある。
日本側は中国の台頭をけん制すると広く受け止められる行動を避け、中国が大国として経済発展に伴う国防力を強化する権利を尊重すべきだ。一方で中国側は、日本が中国に超えられたという複雑な心情に配慮し、自らその心情を刺激し増幅させてはならない。両国はできるだけ、中国の台頭に対する日本の敏感な反応や、それに対する中国の敏感な反応で相互に刺激し合うことを減らし、相手方の行動を深読みしすぎることを避ける必要がある。