国務院の李克強総理の訪問を契機として、中日両国政府は複数の協力合意に調印し、両国の地方政府と企業の協力の深化に向けた環境と可能性が生み出された。アナリストの間では、「今回の訪問が両国の経済貿易の分野とレベルを効果的に拡大とバージョンアップさせ、中日経済貿易協力に新たな活力がみなぎるように促進することになるだろう」との見方が広がる。新華社が伝えた。
中国と日本は一衣帯水の隣国であり、地理的にも経済的にも相互補完の優位性は明らかで、経済依存度も高い。商務部がまとめたデータによると、2017年の中日二国間貿易額は3千億ドル(1ドルは約110.3円)の規模に回復し、日本の対中投資が急速に回復上昇すると同時に、中国の対日投資も安定した発展ぶりを示した。
李総理の訪日期間に両国が到達した一連の共通認識が、両国の経済貿易協力の新分野開拓に対するイメージをさらにふくらませた。この間、双方は革新(イノベーション)発展協力を展開し、革新対話メカニズムを構築し、ハイテク分野および人口高齢化や医療衛生など経済社会の発展に対応した分野や国民生活に必要な分野における技術協力の展開を徐々に推進するとともに、知的財産権を厳格に保護することに同意した。
こうした共通認識には中日経済貿易協力の新たな発展トレンドがありありと反映されている。ここ数年、越境ECを代表とする新経済(ニューエコノミー)が中日貿易のモデル転換とバージョンアップを力強く後押しし、日本の関係者にとりわけ重視されてきた。日本の山口大学の纐纈厚名誉教授(明治大学特任教授)は、「21世紀になってから、中国経済の潜在的発展能力は軽視できないものになった。中国との経済協力の強化は日本が経済の現状を改善し、新たな発展の活力を獲得し、双方の互恵・ウィンウィンを推進するのを助けることになる」との見方を示す。
李総理の訪日期間に、中日双方は金融協力を強化し、通貨スワップ協定にできるだけ早く調印することで同意した。中国は日本に人民元適格国外機関投資家(RQFII)投資枠を付与することにも同意。これは双方が投資分野のバージョンアップで協力するのに好材料となることは確かだ。
「春の川の水が温かくなってきたことを真っ先に知るのは鴨」という詩の一節がある。実際、中日投資協力は新たな境地を迎えている。2015年、日本は対中投資額が累計1千億ドルを突破した初めての国になり、中国にとって1番目の外資の供給源となった。17年には双方向の投資が好調で、投資分野は製造業一辺倒から通信、インターネット、金融サービスなど新たな分野が絶えず開拓されるようになり、協力の水準も向上を続けた。