「一般的に、開放水準が比較的低い分野はいずれも、国の遅れている分野になる」。対外経済貿易大学中国WTO研究院院長の屠新泉氏は、中新社記者に対し、現在の中国のサービス業が先進国とは比較的大きな差があると指摘。中国がすでにポスト工業化の時期に入り、それに伴いサービス業の重要性が次第に大きくなっているため、開放拡大はサービス業の発展を促進する非常に重要な手段になると話した。
南開大学国際経済貿易学部主任の彭支偉氏は、中国の製造分野開放において関税水準が発展途上国の平均を下回る現状のなか、先進国が比較的強い金融、保険、先進サービス業などの開放に重点を置くことは、国内経済発展方式の転換を加速すると説明した。
今年の中国両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)で、介護、医療、教育、金融を含むサービス業の参入を緩和する方針が打ち出された。
趙萍氏は、中国のサービス業供給にはボトルネックの問題があり、なかでも生産性サービス業の市場参入基準が比較的高く、開放の度合いが不十分で、サービス供給能力の向上を抑えていると指摘した。今後は、参入基準をさらに下げ、開放拡大による競争メカニズムを導入することで、生産サービス業を急速な発展を後押しする必要があるとの見方を示した。「欧米諸国が金融サービス業の豊富な経験を蓄積しており、金融分野の開放と外国の先進的経験のモデルを通じて、中国の金融機関が市場化の進んだ環境のなかで発展することができる」としている。