中米双方は今回の経済・貿易協議の中で、貿易戦争を回避する共通認識を形成した。また共同声明を発表し、経済・貿易各分野で協力を強化するとした。米ビジネス界の関係者は、中国の日増しにアップグレードする市場の需要が米国の高品質製品・サービスの供給と結びつき、より良い互恵の局面を形成することで、両国民の生活をさらに改善すると判断した。
相互補完を促進
米ヒューストンのアンダーソンがんセンターは世界的に有名ながん治療機関で、中国の医師がほぼ毎週ここで研修に参加している。ここの医師はインタビューで「中国人の生活水準の向上に伴い、中国の患者は米国トップの医師による診断を受けようとしている」と述べた。
本部を米シリコンバレーに置く遠隔医療サービス機関「MORE Health」のバイスプレジデントは「中米間の遠隔医療協力は時間と資金を節約し、中国人患者のために短期間内に米国の高品質医師資源を見つける。双方の協力は高い潜在力を秘めている」と指摘した。
中国は米国のサービス貿易にとって最大の黒字源だ。医療分野はサービス貿易の一部に過ぎない。米国は現在、金融、教育、ハイテクなどの各分野で強みを示しており、中国市場と連結できれば、貿易額と雇用を拡大できる。双方の互恵・ウィンウィンのパイを大きくし、人々の需要を満たすことができる。
国民生活を改善
米アイオワ州アトランティックで牧場を営むペレットさん一家は、中国に牛肉を輸出するという「チャイナ・プロジェクト」に真剣に取り組んでいる。
米国製の牛肉を中国市場に輸出する際には、厳しい品質・衛生基準を満たさなければならない。ペレットさんは「中国の基準を満たす牛の飼育コストは高いが、高品質の牛肉を中国人消費者に供給できれば割に合う」と述べた。
カリフォルニア州のワインの産地で、フェルテンさん一家が営むワイナリーは今年3月、初めて中国に商品を輸出した。1000ケースのワインが1カ月で売り切れになった。米農業科学技術企業のカーティスCEOは「高品質農産物の対中輸出拡大により、中国人消費者の需要をより良く満たすことができる」と述べた。
農産物の他にも、米国の薬品、医療器械、エネルギー製品、ハイテク製品なども消費者に直接利益をもたらし、中国人の生活の質を各方面から高める。これと同時に、米国側でも雇用機会が創出される。
世界2位の経済体である中国は、その巨大な市場規模、発展の高い将来性、政府と民間による力強い調達により、関連製品・サービスの価格交渉能力を高めている。これによって国民の利益をさらに拡大できる。
高品質発展の動力を強化
中米経済・貿易協力は市場が形成したものであり、市場の力が推進し発展させるものだ。双方が各分野で貿易協力を拡大すれば、市場の手段により競争と発展の同時進行を示し、製品とサービスのアップグレードを促すことになる。
中国の開放拡大はこれまでのように、競争力の高い多くの業界と企業を生むことになり、中国経済に利益をもたらす。米Cathay Bankの戴斌CEO兼総裁は「中国の改革開放拡大は、多くの国際金融機関が同じ舞台で競争を展開する条件を整える。前向きな競争を通じ、中国銀行業の製品革新などの水準をさらに高める」と指摘した。
米ベネディクティンカレッジのキャロル名誉学長は「相互参照と交流は、各国民の生活水準を高め、国全体の経済水準と産業構造のアップグレードを促す」と判断した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年5月21日