国務院関税税則委員会は22日に公告を発表し、2018年7月1日より完成車及び部品の関税を引き下げるとした。税率を25%とする135の関税コード、税率を20%とする4の関税コードの完成車の税率を15%に引き下げる。税率を8%、10%、15%、20%、25%とする79の関税コードの部品の税率を6%に引き下げる。
中国自動車流通協会有形市場分会の蘇暉常務副理事長は「今回の関税引き下げで最大の影響を受けるのは高級車市場だ。そもそも価値が高く、10%引き下げれば価格・コストの影響が大きくなる。中級車や経済的なセダンへの影響は少ない。また今回の政策調整の実際の見どころは、部品の関税引き下げだ。部品の税率引き下げは種類と等級を分け、輸入部品価格に大きな影響を及ぼすからだ。輸入高級車はアフターサービスやメンテナンスの費用、『零整比』(部品価格と完成車価格の比率を示す数値)が高いため、今回の税率引き下げは大きな影響と変化をもたらす」と指摘した。
業界内の専門家は、自動車関税引き下げは市場の競争を促進し、自動車消費のアップグレードを促すとしている。別の専門家は、自動車関税引き下げは自動車メーカーのコスト削減の余地をもたらすのみで、最終販売価格が下がるかについては、メーカーの同政策に対する反応次第だとしている。
政策発表後、ボルボ、ポルシェ、BMW、アウディなどの輸入高級ブランドは、同政策が消費者に利益をもたらし、市場の活力をさらに強めると表明した。また現在の価格を見直し、小売価格を調整し、より優れた価格で消費者に奉仕するとした。
専門家によると、中国の自動車市場の開放は近年、拡大を続けている。製造業付加価値税の引き下げ、合弁企業の出資率の上限調整、今回の関税大幅引き下げなどは消費者に利益をもたらしており、これらの政策の相乗効果も拡大を続けている。輸入車の関税引き下げに伴い、高級車の価格もさらに低下し、市場の競争が激化する。関税引き下げに伴い、海外高級車メーカーの一部の車種の国産化も遅れる可能性がある。中国の自動車生産と消費市場は、新たな競合の時代を迎える。
江淮汽車の項興初総経理は先ほど、経済参考報の記者に対して「自動車関税の大幅な引き下げにより、グローバル企業はコストパフォーマンスを考え、ある車種の中国生産と海外生産のどちらが割に合うかを検討することになる。これらの企業はより低コスト・高収益を目指し、ブランドの影響力を高めようとする。関税引き下げと将来的な出資比率の上限調整などの政策の変化により、自動車産業の淘汰とM&Aが激化する。これは短期間内に生じる痛みだ。自動車産業の改革開放は大きな流れとなっている。自動車産業の国内外の競争が激化するなか、バリューチェーン資源の相互補完・統合・利用を強化しなければならない。国内外を問わず、革新・開放・協力の中でウィンウィンの道を探らなければならない」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年5月23日