日本メディアによると、世界の段ボール箱需要が激増している。ネット通販の急増により、包装と配送に使用される段ボール箱の使用量が増加した。2022年には原料のボール紙の需要が16年比で約2割増になる見通し。デジタル化により印刷用紙と新聞紙の需要が減少する中、市場の成長に合わせて王子ホールディングスなどの日本企業、米国や中国などの世界の大手製紙企業は増産し始めている。
『日本経済新聞』は5月23日、『段ボール 大増産時代』という見出しで、王子ホールディングスはマレーシアやベトナムなど東南アジア諸国とインドで工場の増築または増設を進め、ボール紙生産量を5年で約2割増やす計画だと伝えた。同社は110億円を投資し、2023年度までに生産・販売量を48億平方メートル(重量約300万トン)にする。海外事業責任者は、「インドネシアとフィリピン市場の開拓も検討している」と明かした。
増産の背後には需要構造の変化がある。みずほ銀行産業調査部は、段ボール箱の原料であるボール紙の世界の需要は2020年に2億7534万トンに達し、16年比で17%増になると予想。
ティッシュやトイレットペーパーなど衛生紙の2022年の世界の需要は16年比6%増の5750万トンに達する見通し。新興国の人口増加が主な要因。しかし、印刷用紙と新聞紙の需要は激減する。デジタル化に伴う電子メディアの普及により、印刷用紙と新聞紙の世界の需要は16年比14%減の1億569万トンになる見通し。
業界の構造変化が進む中、経済成長は商品流動を後押しし、段ボール箱の需要も増加するに違いない。そのため、各製紙企業は増産に着手した。
段ボール箱の需要が最も多いのは中国である。中国の2022年の需要は16年比22%増の7200万トンに達し、世界の需要の4分の1を占める見通し。ネット通販が需要拡大の主な要因。
中国のネット通販市場は年間1割の速度で拡大している。中国のEC最大手のアリババグループが11月に開催する「双十一」イベントは段ボール箱の需要増加を牽引し、配達に使用される段ボール箱は年間300億個に達する。中国で生産されるiphoneの輸出が増加し、包装に使用される箱の生産も増えている。
そのほか、新興国でテレビやエアコンなどの家電、食品、飲料、雑貨を工場から小売店に輸送する際に使用する段ボール箱も激増し、ベトナムやタイでは外資系企業だけでなく、地元企業も業務を拡張している。王子ホールディングスは、国内だけでなく、周辺国への輸出にーずも旺盛だとしている。
外国企業も迅速に行動している。生産量が世界一を誇る米国のインターナショナル・ペーパーは印刷用紙の生産量を半分に縮小し、段ボール箱の生産量を倍の1500万トンに増やした。
生産量世界2位の中国玖龍紙業公司も現地の需要増加に対応するため、増産を進めている。同社は2019年6月までに生産量を2割増の1700万トンにする計画。
世界の競争は今後激化することが予想される。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年5月28日