中国の科学技術革新センターの新たな競争が展開されている。北京市は先ほど、2018年は科学技術革新センターの建設を加速する年であり、数多くの重大任務を計画すると発表した。上海市は、2018年は科学技術革新センター建設の難関突破の年であり、その建設をけん引力とし新たな科学技術革新計画を展開すると表明した。また粤港澳大湾区国際科学革新センターの建設も推進が加速される見通しだ。各地が総合的国家科学センターの建設により、科学技術革新の要衝を占めようとしている。
記者の調べによると、今回の科学技術革新センターをめぐる競争では、集積回路、ビッグデータ、AIなどの新興産業が焦点となっており、優先的に計画が打ち出されている。
北京市科学技術委員会党委書記、主任の許強氏は先ほど「2018年は科学技術革新センターの建設を加速する年であり、ネットワーク安全、宇宙科学などの国家実験室及び重大任務の北京での育成を積極的に推進する」と表明した。
「ナショナルチーム」の中央企業も、科学技術革新の重要な力になっている。中国科学技術部、国務院国有資産監督管理委員会は21日に「中央企業の革新発展のさらなる推進に関する意見」(以下、同意見)を共同で印刷・配布し、中央企業による北京・上海科学技術革新センターの建設への参与を支持した。
同意見は、中央企業の革新資源の統合、北京・上海科学技術革新センター建設への積極的な参与を促す必要があるとした。両市政府と協議し、資金投入、重大プロジェクト計画、プラットフォーム建設、人材導入などで中央企業との協力を強化する。中央企業が次世代情報技術、北斗衛星測位システム、ハイエンドプロセッサチップ、大型旅客機、スマート製造・ロボット、深海・遠洋プロジェクト設備、バイオ医薬品、エネルギー、新エネ車、省エネ・環境保護、新材料、レール交通、AIなどの産業と分野をめぐり、北京市・上海市で重点模範プロジェクトを実施するよう促し、中央企業の科学技術成果の北京市・上海市における転化を加速させる。
データによると、全国企業の研究開発費に占める科学技術革新の割合は77%であるが、中央企業の研究開発費は全国の4分の1以上を占める。国家科学技術奨励のうち、中央企業の獲得数は全体の3分の1以上。中央企業は国家科学技術革新の主力軍になっており、世界先進水準を持つ象徴的かつ重大な科学技術成果を出している。有人宇宙事業、深海探査、高速鉄道、超高圧送電・変電、モバイル通信、国産空母及び大型旅客機などは世界水準を持つ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年5月28日