島嶼観光は、観光ツアーの一つとしてその規模が日増しに大きくなり、中国人観光客が大きく支えている。
「一帯一路」の推進に伴い、沿線国の島嶼観光業が持続的に恩恵を受け、1兆元規模の文化・観光市場が形成しつつある。しかし、国際的な島嶼観光の人気に比べ、豊富な特色ある島嶼資源を持つ中国は、島嶼観光開発が大きく後れ、まだ初期段階にある。海洋リゾート観光市場の持続的な発展のなかで、中国がどのように島嶼観光資源の潜在力を掘り起こすかがカギとなる。
統計によると、2016年に中国から世界の島嶼観光地へ向かった観光客数は延べ2800万人、沿海観光業生産高は1兆2億元だった。2017年は中国から世界の島嶼観光地へ向かった観光客数が延べ3000万人近くに上り、島嶼が海外旅行をする中国人が最も熱中する目的地の一つとなった。
実際に総数をみると、中国の島嶼資源は非常に豊富だ。中国の海域300万㎢のうち面積が500㎡を上回る島嶼は6500カ所を超える。一部の島嶼は地理的位置と気候条件が優れ、珍しい山や岩、多様な生物、歴史文化遺跡、漁村風俗などの歴史文化資源が保存され、島嶼観光向けに開発可能な既存の自然・文化資源は十分にある。
ただ、人気があるプーケット、バリ、サイパン、モルディブなどの有名な島に比べ、経済効果の面で中国の島嶼観光資源開発は後れを取っている。中国の島嶼観光業の発展は初期段階にあり、需給構造的なミスマッチが大きく、海南島の一部地域を除くその他沿海都市の島嶼観光発展は後れ、地域ごとに発展状況が大きく異なる。
趣旅の創業者兼CEOの栾杰氏は、中国の島嶼観光開発において、政府が大きな役割を発揮する必要があるとの見方を示す。まず、水力発電や島までの交通などインフラ建設の問題を解決すると同時に、企業の参与も重要で、インフラと土地などの問題解決後にホテル、リゾート娯楽などのサービスを企業が提供しなければならない。政府や不動産業者などの投資者が、島嶼観光開発を重視するようになれば、海洋汚染などの各種問題を徐々に解決することができ、島嶼観光地に向かう観光客が増える見込みで、同業界には大きな発展の余地がある。
また、見落とせない背景として、「一帯一路」の推進がある。深圳市文化体育観光局観光普及促進処処長の呉波氏は、中国と「一帯一路」沿線国の観光交流規模が延べ2500万人を超え、うち25%を島嶼観光が占めると紹介した。業界関係者は、中国政府が全力で「海上シルクロード」を進めており、島嶼観光業の発展チャンスがますます際立つとみている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年5月29日