ブルームバーグ経済部門の万茜アナリストは、「一部の大都市の発展ぶりは今や世界のどの都市と比べても遜色ないが、それが全てではない。一部の内陸部や沿海部でも、都市化と所得水準は依然として大きく後れを取っている」と指摘する。2018年年初めでに、世界銀行が中国の416件のプロジェクトに提供した貸出支援は累計で600億米ドルを超える。
中国で最も発達しているのは上海と北京の2つの直轄市だ。2017年の北京・上海の1人当たり購買力平価GDPはスイスや米国と同水準にある。これら地区の裕福さは世界の人口300万以上の国のトップ10の水準に相当する。
中国の経済格差は、学術研究の興味をかき立てるだけでなく、中国首脳が提起した「三大堅塁攻略戦」の1つとして貧困脱却に照準を定めた堅塁攻略戦の注目ポイントにもなっている。経済発展のペース鈍化に伴い、甘粛省など貧困地区の所得を上海など大都市に近づけようとする政策措置は、中国経済全体の持続可能な発展を後押しする見通しだ。