世界銀行は5月31日に発表した「中国経済簡報、China economic update」で、中国経済には充分な強靭性があると評価した。中国がこのほど打ち出した一連の開放拡大に向けた新たな措置について、世界銀行は高く評価し、世界に恩恵をもたらすとの見方を示した。
リポートは、◇2018年第1四半期(1-3月)の中国GDP成長率は6.8%で、経済活動は強靭な動きを維持している、◇消費は引き続き経済成長に対して重要な役割を発揮している、◇民間投資を中心に投資がやや回復している、と指摘した。
生産サイドから見ると、ソフトウエア・ITサービス業の対GDP比はそれほど大きくないものの、急成長している分野であり、GDPへの寄与率は「顕著に上昇」している。
また、金融政策と監督管理政策の相乗効果により、ここ数カ月の中国企業のレバレッジ比率は「安定に向かい」、一連の措置が秩序あるデレバレッジの実現を後押ししているという。
貿易情勢の緊迫化は中国の経済成長を脅かす主なリスクの1つだ。世界銀行シニアエコノミストで同リポートの主な執筆者であるミリッサ氏は、「保護主義的な措置に対して控え目に反応し、WTOのルール内で米国と対話を維持すれば、このようなリスクを最低限のレベルまで抑えることができる」と語る。
世界銀行中国担当チーフエコノミストのJohn Litwack氏は、中国がこのところ相次いで打ち出した開放拡大措置に注目し、「これは海外からの対中投資・中国からの投資受け入れに対する懸念を打ち消し、中国のグローバル化の旗手としての信頼性を高めることになる」としている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年6月1日