重大プロジェクトの投資が、各地で急ピッチで進められている。経済参考報の一部統計データによると、少なくとも25省が現在まで重大プロジェクト投資計画を公表している。うち吉林省、河北省、江蘇省、福建省、江西省など10省以上の投資規模が1兆元を上回っている。しかし例年と比べ、今年の投資構造には大きな変化がある。「効果的な投資の拡大」が、重大プロジェクト難関攻略戦のキーワードになっている。ハイテク、戦略的新興産業、生態環境の保護などが人気の投資先になっている。
河北省は今年、重点プロジェクトの質と効果を高める活動を展開する。省重点プロジェクト440件のうち、戦略的新興産業プロジェクトが191件、北京・天津・河北共同発展プロジェクトが161件、世界トップ500社投資プロジェクトが39件、国内トップ500社投資プロジェクトが35件となっている。
浙江省第5期有効投資拡大重大プロジェクトのうち、ハイテク産業プロジェクトは306件(全体の46.86%)、投資総額は3294億元(全体の40.15%)。生態環境・公共施設投資プロジェクトは271件(41.50%)、投資総額は2724億元(33.20%)。
山東省は新旧動力切り替えを推進する。110件のプロジェクトのうち、次世代情報技術などの新興産業成長・拡大プロジェクトは68件、ハイエンド化学工業などの伝統産業改造・改善プロジェクトは31件で、インフラプロジェクトは今年は11件のみ。湖南省も産業プロジェクト建設活動を展開している。重点プロジェクト168件のうち、ハイエンド設備製造、電子情報、新材料などを中心とする現代産業プロジェクトは127件で、投資総額の5割を占めている。
中国財政科学研究院マクロ経済研究センターの王志剛研究員は、経済参考報のインタビューに応じた際に「経済の高品質発展は依然として一定の投資規模を必要としているが、今回の投資は従来と異なっており、特に以前より高品質になっている。これは戦略的新興産業の投資、新たな動力を育てる投資などのことだ」と話した。
中国国際経済交流センターの徐洪才副チーフエコノミストも「ハイテク、戦略的新興産業、国民生活などの脆弱な分野への投資拡大は、投資安定と同時に投資構造の改善が続いていることを示している」と指摘した。
王氏はまた「効果的な投資拡大の方法は、投資構造の改善、低効率で効果のない投資の削減だ。投資構造の改善を前提とすれば、従来の生産能力の過剰が生じにくくなる。一定の経済成長率を維持でき、経済構造を改善できる」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年6月4日