米国が先ごろ約5000億米ドルの中国からの対米輸出製品に課税を検討すると再び威嚇したことについて、中国商務部の高峰報道官は5日の定例記者会見で、「このような関税という棍棒を振り回して他国を威嚇する貿易覇権主義は、時代の流れに逆らうものだ。中国が威嚇や恫喝に屈することはなく、世界の自由貿易と多国間体制を守り抜く決意も揺るぐことはない」と述べた。
高峰報道官は、「米国は中国だけでなく、その他の国と地域の貿易相手国をも同様に威嚇している。中国は世界各国と共に、古く時代遅れで、効率の低い保護主義や単独行動主義といった、時代に逆行し道理に反した行為に断固反対し、安定した予測可能な世界の経済貿易環境の維持に力を尽くす」とした。
米国は現地時間7月6日より340億米ドル相当の中国製品を対象に追加関税を課す計画だ。報道官は、「中国から先制攻撃を仕掛けることはないが、米国が追加関税を発動すれば、中国も対抗措置を採らざるを得ない」と述べた。
そして「我々は米国が仕掛けてきた貿易戦争に参戦したくはないが、国家と国民の利益を守るために、必要となれば戦わざるを得ない」と語った。
高峰報道官は「米国政府のやり方は完全に逆行している」とし、「我々は『道理にかなえば支持者は多く、道理に背けば支持者も少ない』と信じており、各国の人々も中国に理解と支持の姿勢を示している。我々は各国に足並み揃えた行動を呼びかけ、貿易保護主義と単独行動主義に断固として反対し、世界の人々の共同的利益を守る」と述べた。
米国政府は6月15日、米通商法301条に基づき500億米ドル相当の中国からの輸入製品に対して25%の関税を課すと発表した。500億ドルのうち340億ドル分については7月6日から発効するものの、残りの160億ドル分については更なる調査やヒアリングを行った上で判断するとしている。