米国が今年、貿易戦争のシグナルを出すと、世界金融市場の発展に暗雲が立ち込めた。米国は独断専行かつ高圧的で、世界金融市場に危機感を抱かせ、株価を下落させている。米国が一方的に発動した貿易戦争は、世界金融市場の安定と発展の最大のリスクであり、世界金融市場を損ねている。
金融は現代経済の中核、実体経済の血脈だ。金融体制は世界経済体制の極めて重要な一部になっており、世界の資本流動や資源配置といった重要な機能を担っている。またグローバル化を背景とし、各大型金融市場の連動性が顕在化しており、リスクの「伝染」もよりスピーディーになっている。
今年は国際金融危機から10周年であり、長年に渡り各国がまとめ上げた経験は、次のような教訓をもたらしている。世界経済の成長には健全なメカニズム、リスク制御が可能な金融市場が必要だ。金融市場の安定も、各国にとって互恵の世界経済を必要とする。両者の好循環が人類の幸福を促進し、両者の悪循環が世界の発展を妨げる。
長年に渡る危機後、世界経済は苦しみながら回復の力を取り戻した。この力は現在、米国の一国主義と保護貿易主義によって破壊されている。米国は多くの重要な貿易相手国に貿易戦争を発動し、世界貿易機関(WTO)のルールに著しく背き、世界経済の持続的な回復と世界金融市場の安定的発展に強い衝撃をもたらしている。
米国の株価は高い水準にあるが、無視できないリスクもあることに注意が必要だ。世界金融市場では、小さな動きが全局に影響する。米国が貿易戦争を仕掛け世界経済を何度もかき乱し、世界金融市場に損失をもたらしている。外部のリスクが一定程度まで蓄積されれば国内に流入し、自殺行為になる。米国が6月15日に「原産国を中国とする総額500億ドルの商品に25%の追加関税を導入する」と発表すると、米国株の主要3指数が下落した。
周知の通り、中国は近年、金融体制の改革開放を進めている。体制・メカニズムがより健全化しており、リスク管理能力が日増しに高まっている。中国の金融体制は今年に入り、全体的に安定的に運行している。国民経済が安定しつつ好転するに伴い、銀行業、保険業、証券業の経営全体が安全かつ穏健になっている。
我々は貿易戦争に断固反対するが、これを絶対に恐れない。新たな国務院金融安定発展委員会が7月2日に設立され、会議が開かれたが、これは各種不確実リスクに対応する断固たる態度を示した。重大リスク攻略戦に打ち勝ち、外部リスクに対応する数多くの有利な条件を完全に整えており、自信を深めている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月10日