内閣府が6月19日に発表した「月例経済報告」では、「景気は、緩やかに回復している」との基本判断を示すとともに、「先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される」との見方が示された。
伊藤忠経済研究所の竹田淳チーフエコノミストは、「輸出データと個人消費データが第1四半期の経済データを押し下げた主な要因。だがこれは短期的減少であり、長続きしない。第2四半期の日本経済は緩やかに回復する」と述べる。
農林中金総合研究所の南武志首席研究員は、「第1四半期の日本経済のマイナス成長は日本経済が曲がり角に来たことを意味しない。日本経済は引き続き拡張周期にあり、人手不足の問題が目立っており、第2四半期の経済が回復成長する確率は高い」と述べる。
三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは、「米国の保護主義の政策に影響を受け、大企業の一部は業況判断が悪化するが、全体としてみれば大企業の設備投資計画は順調で、状況は思ったほど厳しくはない」との見方を示す。
▽米国が最大の外部リスク要因
下半期の経済運営を展望すると、多くの専門家と関連機関が、「日本経済の復興の流れは続く見込みだが、米国政府の保護貿易主義的措置が日本経済にとり最大の外部リスク要因になる」との見方を示す。
日本総合研究所(日本総研)が6月に発表した「日本経済展望」では、「先行きを展望すると、……2018年度は、1%程度とみられる潜在成長率を上回る成長が続く見通し」との予測が示された。