史上最大規模の貿易戦争がさらに激化しそうな勢いをみせている。米国は現地時間10日、さらに2000億ドル(1ドル=約122.25円)相当の中国製品に10%の関税を追加適用する方針を明らかにし、新たな対象品目リストを公表した。また、8月に公聴会を実施する計画だとしている。中国新聞社が報じた。
この発表に対し、中国商務部(省)の報道官は直ちに声明を発表し、その中で少なくとも2つの重要な情報を明らかにした。
1.中国は米国の脅しや恫喝に屈することなく、引き続き国と国民の利益を固守
商務部報道官は、声明の中で、今回の米国の追加関税方針について、「全く受け入れられない」とし、「強く抗議する」との姿勢を初めて明確に示した。
さらに報道官は、「国の核心的利益と国民の根本的利益を守るために、中国政府はこれまで同様、必要な対抗措置を取らざるをえない」とした。
北京のある学者は、「中国が応戦する姿勢を固めたのは、米国の貿易覇権主義のやり方が中国の利益を大きく損ない、回復傾向にある世界の経済や貿易を窮地に追いやる可能性があるからだ」と説明している。
中国社会科学院の世界経済・政治研究所の東艶研究員は、最近中国新聞社が開催したフォーラム「中米貿易トラブルの背後にある攻防」で、「中国は、米国との貿易が正しい軌道に戻るよう尽力したが、米国は法外な要求を次々と行い、中国が受け入れられる最低ラインを超えてしまった。こうした状況においてはどれほど理性ある中国人でも徹底抗戦という選択しかなくなる」との見方を示した。
中国国際問題研究院・米国研究所の滕建群所長も、「米国に端を発した貿易戦争は、単に貿易不均衡を解決するためだけではなく、中国の長期発展を阻む意図がある。中国としては一歩も引けない状態だ」と指摘する。