米国政府はこのほど関税の「棍棒」を振るい、保護主義の原則を貫き、世界で貿易摩擦を引き起こしている。各国は不満を募らせ、反撃している。米NYタイムズ(電子版)は9日、貿易戦争が現段階で一部の米国企業と国民にもたらしている悪影響を数え上げ、関税により「公平な貿易」を実現しようとするやり方はむしろ逆効果かもしれず、米国は貿易戦争の中で失敗に向かっているとした。記事の全文は下記の通り。
米国のトランプ大統領は今年3月、貿易戦争は「いいこと」であり、米国はたやすく勝てると述べた。そこで先週、高圧的な姿勢で貿易戦争を正式に開始した。
貿易戦争の支持者からすると、上述したやり方は「公平な貿易」を求める試みであり、中米貿易にとっては特にそうだ。ところが実情を見ると、米国政府が貿易政策の実施によって得た効果はむしろ正反対だ。
他国の鉄鋼・アルミ製品に対する関税を引き上げると、その分は製造に鉄鋼・アルミを用いる米国の製造業経営者に転嫁されることになる。これは彼らに課された新たな税金だ。年初より、輸入鉄鋼に25%の関税を課したことで、米国国内の鉄鋼価格が約40%も上昇した。アルミ製品に10%の関税を課したことで、国内のアルミ価格が6月に4年ぶりの高値に達した。
他国に関税を課すことで国内の価格が上昇し、さらに他国からの報復措置により米国の多くの労働者・農家・農場主の生計が脅かされる。さらに影響の規模と範囲は日増しに拡大する。ここからは鉄鋼・アルミ製品の関税により影響を受けた例を見ていこう。