安全要素が「氷上シルクロード」のもうひとつの特長だ。中東や南アジアの一部地域は安全情勢が不安定で、既存の航路が海運の安全を脅かす。北極航路は、自然環境が厳しいが、海賊やテロ攻撃、戦争の脅威によるリスクが小さく、特に北極東北航路は、ロシア北部海域の沿岸部にあり、安全が保障されている。
また、北欧国家が東アジアとの相互接続拡大を熱望しており、彼らが計画する「北極回廊」と「氷上シルクロード」は図らずも一致した。フィンランドやノルウェーなどは少なくとも30億ユーロを投じ、欧州内陸からフィンランドの首都ヘルシンキを経てノルウェー東北端のキルケネス港までを結ぶ鉄道敷設を計画しており、そこは「氷上シルクロード」との合流ポイントになる。
フィンランドは昨年5月から北極評議会の輪番議長国を務め、中国が北極事務に参与することを歓迎する意向を何度も示している。フィンランドのニーニスト大統領は、「中国の北極政策」白書が関係各国と「氷上シルクロード」の共同建設する方針を明確に示したと指摘し、そこには非常に大きな協力の余地があるとの見解を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月28日