中国人民銀行(中央銀行)が10日、第2四半期中国金融政策執行レポートを発表し、最近の人民元レート動向に関する見方を明らかにした。レポートは、2017年から2018年第1四半期にかけて人民元高が進み、第2四半期以降に人民元安となったのがいずれも市場の需給による動きで、人民銀行が基本的に常態式の外貨取引介入を止めており、これが政府外貨準備と人民銀行の外貨買い入れポジション(外貨準備増加に伴う自国通貨の放出額)の変化に反映されていると説明。中国が為替レートの市場化改革を一貫して進めており、市場の為替レート形成における決定作用を発揮させ、通貨安競争を行わず、人民元レートを用いた貿易摩擦など外部問題への対応は行わない方針を示している。
レポートは、人民元レートが主に市場の需給で決定され、人民銀行が通貨を用いて貿易摩擦などの外部問題に対応することは無いと説明した。中国は市場需給を基盤として、通貨バスケットを参考に調節を行い、管理された変動相場制を進めている。為替市場化改革の継続的な推進に伴い、為替レートの弾力性は次第に増強された。
また、現在は中国の経済ファンダメンタルズが人民元レートを適切な均衡水準で基本的に安定させている。ここ数年にわたる供給側構造改革や政府機構の簡素化による地方行政部門等への権限委譲、市場メカニズムの作用発揮によって、中国は経済構造調整からプラスの効果を得たことで成長の原動力の転換が加速し、成長の強靭性が増した。国際収支がほぼ均衡し、これが人民元レートを強く支えている。