中国社会科学院が主催する「条約の精神を発揚し、友好協力を掘り下げる――『中日平和友好条約』締結40周年記念」国際学術シンポジウムが11日、北京で開催された。中日両国各界の友好関係者100人余りが、「中日平和友好条約」締結40周年を共に記念した。シンポジウムに出席した専門家は、世界で一国主義が台頭する状況下、中日両国の協力の必要性が日増しに高まっており、戦略的相互信頼を構築し、世界の秩序を守るため協力を展開すべきだと判断した。中日両国は人類運命共同体の構築、地域と世界の繁栄・安定のためにさらなる貢献を成し遂げるべきだ。
中日両国、大局的見地から不安定要素に対処を
中国社会科学院の武寅元副院長は講演で、次のように述べた。現在の最大の不確実要素は、世界に波及する貿易戦争だ。中日両国は時代の流れに順応し、一方的な保護主義と覇権主義を望まない世界のすべての勢力と共に努力し、貿易戦争の世界経済及び安全に対する損失を最大限に阻止し抑えるべきだ。世界の平和と安定が直面している各種脅威を最大限に取り除き、条約から授かった世界平和を守る時代の責任を果たすべきだ。
平和と友好のため、中日は共に戦略的相互信頼を構築すべきだ。ハイレベル往来を維持し、思考を切り替え相手国をより正確に理解し、判断ミスを減らし、相互信頼を促進する。
日本の防衛大学校の五百籏頭真元校長は発言の中で、次のように述べた。中日両国は歴史の経験と教訓を汲み取り、高度な政治の知恵で行動するべきだ。私は今年6月、福田康夫元首相に付き添い侵華日軍南京大屠殺遭難同胞紀念館(南京大虐殺紀念館)を見学し、深く印象に残っている。中国はすでに世界2位の経済国だ。運命共同体を構築するため、中日両国は思考を切り替え相手国の利益を考え、さらに全体及び大局を考慮し、人類発展に貢献するべきだ。
中日両国、チャンスをつかみ協力促進
中国社会科学院日本研究所の楊伯江副所長は、次のように判断した。平和友好条約は100年間に渡る中日関係の歴史の流れを変え、アジア太平洋地域の国際関係構造に重大かつ深い影響を及ぼした。また中国の改革開放、経済・社会の大発展の実現に向け、有利な外部条件を整えた。中日両国は現在、グローバル化の時代の流れに順応し、二国間・多国間発展空間を切り拓き、関係発展の大方向を把握し、協力掘り下げの新たなチャンスをつかむべきだ。未来を展望すると、新たな情勢を迎えた中日協力の戦略的基礎は弱まったのではなく、強化された。中日両国は平和的な交流を堅持し、チャンスをつかみ協力を掘り下げ、両国間の現実的な利益の結びつきを強化し続けるべきだ。時代と文明の高みから、中日関係を思考し計画するべきだ。
東京大学公共政策大学院の高原明生院長は、次のように判断した。中日関係を研究する学者は中日関係の全局を総合的に考慮すべきであり、ある側面ばかりに注目してはならない。例えば安保や経済だけに注目するべきではない。中日関係の研究には相互理解の他に、さらに実情に基づく行動が必要だ。中日両国は未来志向の東アジアの秩序を構築するビジョンを掲げるべきだ。
創価学会の寺崎広嗣氏は、次のように判断した。創価学会は日中両国の文化交流を促進するため取り組み続けている。両国は将来的に、次の2つの面から枠組み化協力を検討できる。まず、両国は「東アジア環境協力」を共に主導し、東アジアの環境問題を改善するためさらに大きく貢献できる。次に、両国の若者の交流・意思疎通・理解を促進する。これは中長期的に見ると、中日関係の発展にとって極めて重要だ。
中国人民大学国際関係学院副院長の黄大慧教授は、中日両国は中日韓自由貿易区の建設の推進を加速し、ASEAN10カ国と中日韓の自由貿易区の協力を加速すべきと判断した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年8月13日