イギリスのロイター通信は12日、「アラスカ海産業が中国関税に苦しむ」という見出しで、過去、アラスカの漁民は予想外の天候と高波に対応してきたが、現在は「米中貿易戦」という新しい難題に直面していると伝えた。中国はアラスカ州から年間10億ドルの魚介類を購入し、最大の海産物輸出市場になっている。世界最大の2つの経済体が貿易戦に突入した。トランプ政権の中国製に対する追加課税に対応するため、中国は7月にアラスカを含む太平洋北西エリアの海産物から25%の関税を徴収することを決めた。
アラスカ州最大の漁貿易団体の漁民連合会のフランシス・リッキー常任理事は、「(貿易戦は)アラスカの海産業を壊滅させる可能性もある。海産業は同州で雇用が最も多い私営部門である。中国は代わりのきかない市場。関税戦が続けば、中国はアラスカの魚を買わなくなる」と述べた。
アラスカの海産業にとって、貿易戦は時期的にも最悪だった。同州は中国市場の獲得に長年取り組み、2カ月前にビル・ウォーカー知事率いる貿易代表団は1週間の中国訪問を行い、海産業は大々的に売り込んだ1つだった。
アラスカ州港湾都市のスワードの漁民イーロン・ノリダー氏は、漁民たちは気が気でない状態だと話した。彼が漁獲量の一部を供給している地元の海鮮加工工場の代表も訪中団に参加した。ノリダー氏は、「伝統的な試練があっても、さらなる試練は受けたくない」と話す。
販売員によると、中国の中産階級の消費者はアラスカ産の魚、特に鮭は汚染されていない水域で獲れた優良品と考えている。同州海産市場協会のジェリミー・ウッロドー氏は、「追加関税により価格が上昇し、中国の消費者はロシアやノルウェーなどのライバル国の商品を購入するようになり、アラスカのビジネスチャンスは閉ざされるだろう」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年8月14日