スリランカは世界的に有名なセイロンティーの産地だ。一部の輸出紅茶の包装箱には、セイロンティーが海上シルクロードで誕生したロマンあふれる記載がある。
英国の船舶が1824年、中国の武夷山の茶の木を積み、大洋を横断しセイロン島(スリランカの旧称はセイロン)を訪れた。これがインドから渡来したアッサムティーと結びつき、セイロンティーになった。武夷山の紅茶の香りや甘み、アッサムティーの濃厚さを併せ持ち、40数年後に商船によってセイロンから西に渡ると、たちまち欧州を席捲した。
約200年後の今日、茶文化の融合の物語は、スリランカで書き続けられている。
スリランカは最も早く「21世紀海上シルクロード」の建設に呼応した国の一つであり、中国企業と共に協議・建設・共有する多くのプロジェクトを持つ。中国企業による現地人の雇用拡大に伴い、文化の融合の重要性も際立ってきている。中国の茶を飲む文化には長い歴史があり、スリランカの紅茶も海外で名を馳せている。「和して同ぜず」の茶文化は自ずと、中国企業と現地の従業員の距離を近づける橋になった。
招商局集団傘下のコロンボ国際コンテナ埠頭有限公司の従業員数は1500人で、うち中国人は19人のみ。文化の融合は、黄鵬CEOの重要な課題になっている。
「多くの現地従業員に企業文化に溶け込んでもらい、心の底から中国企業の基準・理念・目標を認めてもらうにはどうすべきか」黄氏の方法は、すべての現地従業員とお茶を飲み、心を開くことだ。すべての従業員がいつでも黄氏に会い、自分の考えや訴えを口にすることができる。黄氏は現地の伝統に基づき、従業員に紅茶を用意し、心を開くよう励ます。
お茶は親睦を深める良き方法だ。緊張していた会議も、紅茶とお茶菓子があればすぐに和むことができる。紅茶によって、両国の従業員は交流機会を増やしている。黄氏は「事務用品の修理から昇進や昇給に至るまで、当社は現地従業員のさまざまなニーズを直ちに把握し、迅速に対処することで、より深い信頼を樹立している」と話した。
ある25歳の現場監督は、紅茶を楽しみ、仕事を楽しんでいる。「仕事からたくさんのことを教わった。私は電気機械工から現場監督に成長し、今後はさらにマネジャーや総監になりたい」同社が位置するコロンボ港南埠頭は、南アジアで唯一の深水コンテナ埠頭であり、ここで働くことは多くのスリランカの若者の夢になっている。
現地人にとって最も魅力的な奨励は、中国での研修・学習のチャンスだ。招商局深セン母港で中国の港の活力を実感し、中国の大学で最新の知識と技術を学ぶ。
業務の中堅であるマネージャーは、2013年に深セン市の研修に送られ、最近さらに上海市を訪問した。中国で研修と学習に参加し、勤勉かつプロ意識の高い企業文化を実感し、帰国してからさらにやる気が出たという。
中国の武夷山の遺伝子を融合したセイロンティーは、栽培技術の進化により独特な風味を持つ品種を生み出した。これによりスリランカは世界の重要な紅茶生産国、輸出国になった。中国企業が建設と運営に参与するコロンボ港からは毎日、セイロンティーが尽きることなく送り出され、海上シルクロードに沿って世界各地に向かっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年8月26日