アリババグループのキーパーソンである馬雲氏は中国の教師節の日、1年後のアリババ20周年、つまり2019年9月10日に自身は会長ではなく、現職の張勇CEOを後釜に据えると発表した。世界の主流メディアにとって、馬雲氏は世界一の富豪であるだけでなく、「中国のニューエコノミー繁栄の証人」でもある。華々しいうちに思い切って一線から退くという彼の行動は世界のビジネス界を揺るがすに違いない。フランス通信社は、馬雲氏の引退を、アップルのジョブス氏の辞職に例えることができると論じた。
「馬雲氏は1世代の人々を導いた」。ドイツ誌『デア・シュピーゲル』は10日、中国の経済界は最も普通でない実業家の1人を失ったと論評。彼は現代中国の友好の顔でもあり、最初から魅力的、外交的だった。彼は中国の実業家の品性を表し、勤勉で執着心が強いが、自嘲するという一面もある。伝奇が溢れるアリババの年次総会に、馬雲氏はマイケル・ジャクソンの格好で登場したこともある。
英BBCは10日、元英語教師で浙江省杭州市出身の彼は翻訳会社を立ち上げて財を築き、素晴らしい演説力で中国の若い起業家たちの憧れの存在になったと論じた。また、彼のパフォーマンス好きも個人と企業の名刺の1つになっている。馬雲氏が毎年のアリババの年次総会で変わった格好をしてステージでパフォーマンスするのは恒例となっており、ジェット・リー監督作のカンフーショートフィルム『功守道」にも出演したことがある。
インドのウェブサイト「SIFY」は10日、「馬雲氏は中国最大の成功例で、一代で財を築いた彼の伝奇は多くの人を激励した。彼は世界トップクラスの富豪になり、資産は366億ドルに達する」と報道。
ドイツ誌『マネージャー・マガジン』は、馬雲氏のような伝奇的人物の引退について信じられないとし、「馬雲氏は中国の若者世代の手本。集団に打ち解けないように見えるが、勤勉さと執着心の強さで中国で財を築いた」と称賛した。
米ブルームバーグ社は10日、馬雲氏は20年でアリババを杭州のアパートを事務所にしていた小さな会社からECの世界大手へと成長させたと論じた。馬雲氏は元英語教師で、1999年に杭州のアパートにアリババを立ち上げ、中国のサプライヤーと外国の小売業者を結びつけ、消費財小売分野、オンラインファイナンスなどに業務を拡大。上海のあるマーケティング会社責任者のマーク・ドナ氏は、「中国のインターネットと消費者の台頭を代表できる名前または顔は馬雲氏だけ」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年9月11日