先生社長のような考え方の日本の企業家、特に中小企業の経営者は非常に多い。目立とうとするのではなく、一つの仕事にひたすら打ち込み、数十年、ひいては百年以上も、同じ加工製造の小さな一つの分野に従事し、自分たちにしかできない技術を身につけるというのがそのスタイル。そして、多くの中国の企業家のような、「企業をどんどん大きくする」という野心を抱いていない。
少しでもその気になれば、上場やブランドPRは決して難しいことではないが、彼らにそのような気はない。それにより、ハイクオリティの「日本製」が確立され、日本には「いい企業」がたくさんあるようになったものの、ユニコーン企業は少ないという現状にも悩まされている。
中国と日本の企業におけるもう一つの大きな違いは、企業家の年齢だ。
筆者が日本で取材したことがある企業の多くは、60歳以上、ひいては70-80歳であるのに対して、中国ではそのような高齢の企業家に会うことはほとんどない。
筆者のイメージでは、日本の企業家の平均年齢は、中国より少なくとも20歳高いだろう。自動車メーカースズキの鈴木修代表取締役会長(88)、カメラメーカー・キャノンの御手洗富士夫社長(82)などは、80を過ぎても経営の最前線で活躍している。
それら超ベテランの企業家らのほとんどは、経営の細部に常に気を配り、何事も自ら行い、細かい点に極端なほどこだわるものだ。一方、中国の若い企業家らは、競争心に満ち、自分の経営理念や今後どのように事業を拡大するかなどの夢を語るのが大好きだ。
これまで世界に名を残してきた「先輩」である日本企業の特質、経験、教訓は依然として中国の企業が学び、参考にする価値があると言えるかもしれない。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年9月11日