中国の国務院弁公庁は先ごろ『原子力発電の標準化作業に関する指導意見(ガイドライン)』を通達した。これに業界内外から強い関心が寄せられている。
同ガイドラインでは、標準化は中国の原発の安全性と持続可能な発展を支える上で重要であり、原発の輸出を促進する重要な足がかりでもあると指摘。中国が原発大国から原発強国への転換を進める上で重要な意味を持つものだとの認識を示した。
第3世代原子炉「華龍1号」は、パキスタンで建設が進められており、英国でも審査段階に入ったほか、アルゼンチンにも輸出することで基本合意するなど、今後、中国の自主設計による原発ユニットの輸出に弾みがつくとみられる。
なお、原発の輸出には重要な問題が絡んでくる。標準化を巡る主導権争いで発言力を強めることだ。
国家能源局科技司の関係責任者はこのほど、記者の取材に対し、「近年、中国では原発の規格化作業を段階的に進めており、これまでに900項目以上を発表し、原発の全ライフサイクルの各段階における標準体系を整備してきた」と述べた。
「制度整備、実施強化、全体計画、輸出支援」の原則に基づき、同ガイドラインでは発展目標を次の3段階に分けている。
1、1~2年かけて中国の原発技術の標準体系を整備する。
2、5年程度かけて中国の原発標準の実用化をめざす。
3、10年かけて原発標準化の「強国」入りを果たし、原発標準化で世界をリードする。