国慶節の長期連休中の移動中、多くの高速鉄道内で次のような変化が見られた。食事の時間になると、乗客は車内のお湯を使いカップラーメンを作ったが、昔のように某メーカーの紅焼牛肉麺だけではなく、さまざまな種類が増えた。チーズラーメン、藤椒ラーメン、お湯不要のレトルト麺など、多くの商品が人々に新鮮感を与えた。
カップ麺の変遷は、中国の消費需要の大きな変化を反映している。模倣型を特徴とする消費段階はすでに終わり、個性的で多様な消費が主流になりつつある。この変化は食生活に反映されている。人々は満腹になるだけではなく、美味しく健康的で、さらには個性的で品格のあるものを食べようとしている。簡単な食事であっても、「適当」を「こだわり」に変えている。「定番」カップ麺は確かに、消費の新しい需要を満たせなくなっている。さらにフードデリバリーサービスの急成長により、食事の選択肢が増えており、即席麺業界が衝撃を受けている。世界ラーメン協会の統計データによると、中国本土及び香港の即席麺年間消費量は、2013年の462億個から385億個に減少している。
人々が即席麺業界は低迷中と判断するなか、その販売量は昨年に底打ちし、反転上昇の勢いを見せている。今年上半期に入ると成長がより穏健になり、販売量が4.5%増、売上が8.6%増となった。販売の安定回復の裏には即席麺業界の革新がある。一定期間に渡り不振にあえいだ即席麺業界は近年、革新的な供給に取り組んでいる。より健康的にするため、スープの調味料を植物油に変え、かやくの栄養価を豊富にしている。フライ麺はノンフライやお湯不要のレトルト麺から挑戦を受けている。バラエティー豊かにするため、ザリガニ焼きそば、重慶小面、ジャージャー麺、ブルダック炒め麺、トムヤムクンラーメンなど新しい味が出ている。デリバリー業界からの衝撃に対応するため、小さなカップ麺を締めの一品としている。若い消費者を集めるため、アニメやゲームの包装を作っている。
即席麺は発明されてから60年がたち、この業界では「古い産業」と呼ぶことができる。しかし再び新たな活力を放っていることから、伝統的な産業が恒久の生命力を持つかは、技術と理念の革新によって決まることが分かる。消費の潜在力は、掘り起こされるものだ。企業が供給側改革の深化を続け、需給構造のバランスの乱れとミスマッチを解消し、制度・技術・商品の革新を行えば、消費の新たな需要を満たしながら新たな活力を引き出し続けることができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年10月15日