中国人民銀行(中央銀行)は15日、一部金融機関の預金準備率を1ポイント引き下げた。当日満期を迎える中期貸出ファシリティ(MLF)は継続されない。
人民銀によると、「こうした措置を採用した後、銀行システムの流動性の総量は高水準になる」という。
人民銀が今年に入って預金準備率を引き下げたのはこれが4回目で、1月、4月、6月にそれぞれ行われた過去3回の引き下げで、法定預金準備率は累計2.5ポイント引き下げられた。
人民銀の易綱総裁は14日に2018年主要30ヶ国国際銀行業シンポジウムの席で、「今年になって人民銀が預金準備率を4回引き下げたことで、人民銀が金融緩和政策を打ち出すのではないかと懸念する人がいる。目下の通貨政策は安定したニュートラルな状態を維持しており、緩和もしていないし、引き締めもしていない。通貨政策のツールボックスには運用可能な政策ツールがたくさん入っている」と述べた。
また易総裁は、「ブロードマネー(広義の通貨)の増加率と名目国内総生産(GDP)の増加率はほぼ釣り合いが取れており、社会融資規模(AFRE)の増加率は約10%で、これも合理的な水準にある。こうした要因を総合すると、中国の通貨政策は安定したニュートラルな状態を維持していると結論づけることができる」と述べた。
中国光大銀行の分析報告は、「今回のターゲットを絞った預金準備率引き下げが人民元相場に与える影響は限定的で、人民元は通貨バスケットの構成通貨に対し安定的に推移する見込みだ。短期的な市場リスクが出尽くした後で、人民元は再び基本的な状況に回帰するだろう」と予想する。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年10月16日