広東省の珠海と香港、マカオをつなぐ世界最長の海上大橋「港珠澳大橋」が24日、開通した。これに伴い、各界が待ち望んできた広東省の珠江デルタ主要9都市と香港、マカオを一体化する経済圏「粤港澳大湾区」(広東・香港・マカオビッグベイエリア)域内を1時間以内に移動できる「1時間生活圏」の確立が徐々に実現されようとしている。
専門家の間では、橋の開通により、香港、マカオ、珠海の3地域間における人、車、モノの流れがより密に連携し、利便性が大きく向上、経済の動脈がスムーズに流れるようになり、発展の余地がさらに大きくなるとする見方が広がっている。
香港と珠江デルタ西側を結ぶ交通は長年不便なままで、香港から珠海へ陸路で抜けるには3時間以上、海路でも1時間以上かかっていた。また、珠江河口西岸にある珠海や佛山など経済発展は、東岸にある深センや東莞などに比べ若干遅れをとってきた。
それがここにきて、橋が開通したことで香港が全国の高速道路網に組み込まれ、香港から珠海、マカオへ40分程度で行けるようになり、広州、佛山などへ陸路で抜ける場合も大幅に時間短縮されるなど、粤港澳大湾区の主要都市圏では「1時間経済圏」の確立がほぼ実現されたといえる。