中国社会科学院学部委員の余永定氏は北京市で11月1日、米株式市場は今年に入って3回暴落し、中でも10月の暴落後に米株は今年の上昇幅以上に下がり、マイナス成長になったと話した。以前の米株の上昇には多くの正常でない要因があり、現在はかなり深刻なバブル要因が存在するという。
これは、余永定氏が同日開かれた第14回北京国際金融博覧会・2018中国金融年度フォーラムで述べた内容。
米国経済について、余永定氏は一部の人が考えるほど良くない可能性があるとの見解を示した。トランプ政権の減税政策に刺激され、米国の経済成長率がやや上昇するのは正常なことだが、この上昇はすでに周期最高値に達し、持続しない可能性がある。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げし、量的緩和策を撤回。この撤回にはリスクがあり、米国債の上昇を考えると、これらの問題は米国の今後の経済成長に悪影響を及ぼすとみられる。
余永定氏によると、2008年の金融危機以降、量的緩和策のほか、米国は拡張的な財政政策も実施している。金融危機後、米国の財政赤字は大幅に増加した。これは国債の増加を意味し、米国債の対GDP比は今も上がり続けている。
トランプ米大統領は一連の減税政策を実施し、減税により財政収入は増えると想定していたたが、赤字はさらに増加した。しかし、実際はそうではない。関連機関は、2018年の米国の連邦財政赤字の対GDP比はさらに上昇すると予想している。
余永定氏によると、財政悪化のほか、米国の国際収支状況も改善されておらず、米国の経常赤字の対GDP比は上昇し続け、債務も多い。このような状況下で、国際収支の不均衡により米国が通貨・金融危機に直面する可能性も排除できない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年11月2日