中国冶金工業計画研究院と中国金属学会が共同主催した「2018(第7回)中国鉄鋼技術経済ハイエンドフォーラム」が先ごろ北京で開かれた。中国鉄鋼工業協会(中鋼協)副会長の屈秀麗氏は同フォーラムで、今年の鉄鋼業況の質が大きく上がり、業界の利益が工業平均水準まで回復したことを明らかにした。
「鉄鋼企業の収益が改善し、過剰生産能力削減の効果が出た」。屈秀麗氏は、中鋼協会員企業の今年1-9月の利益総額が前年同期比86.01%増の2300億元で、売上高利益率が7.5%と、前年同期に比べ2.88ポイント上昇し、鉄鋼業界の利益が工業平均の水準まで回復したと説明。また、鉄鋼業界の負債率が下がり、債務返済能力が大幅に向上したとしている。
今後の見通しについては、鋼材価格が引き続き小幅に変動するが、暴騰や暴落は起こらないと予想。第4四半期の鉄鋼企業収益は前四半期より減少する見込みだが、通年では増加するとの見方を示した。
鉄鋼業界は、業況が安定しつつ上向き、中国政府が注力している供給側構造改革の恩恵を受けている。鉄鋼生産能力1億5千万トンを削減する目標は、計画より2年前倒しで2018年中に達成する見通しだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年11月16日