欧州の著名科学技術コラムニストのマーティン・バンクス氏は先ごろ、阿里雲が英国で新たなデータセンターを設立し、欧州での足跡を拡大したと紹介した。阿里雲はすでに、フランクフルトにも類似施設を設立している。新たなデータセンターとクラウドサービス供給プラットフォームの設立は、単なるニュースに過ぎない。しかし、阿里雲による英国圏でのサービス開始には、いくつか注目点がある。
アマゾンがオンラインリテールサービスで強力なライバルとみなす中国の阿里巴巴は、世界的事業者を目指している。阿里雲は、阿里巴巴集団の6大主要事業の一つだ。その他5事業は販売、購入、決済、物流、娯楽となる。阿里雲の目標は、企業にフルセットのクラウドサービスシステムを提供すること。企業は必要な資金を払うだけで、完全な製品とサービスを得ることができる。
阿里雲はすでに、英国と欧州の一部ユーザーへクラウドコンピューティングのコンサルティングサービスを提供している上、追加のシステムツールも開発し、非技術型ユーザーに対する簡便なサービス提供を目指している。なかでも登録サービスでは、ユーザーが登録後すぐに阿里のサービスを受けることが可能だ。
阿里雲国際業務総裁の王業明氏は、英国のデータセンターが中国で事業を行う英国企業だけでなく、英国で事業を展開する中国企業を支えることもできると強調。英国からより多くの中小企業が参入することに期待を示した。中小企業の大規模なITインフラ投資は難しいが、クラウドコンピューティングを使って急成長することが可能としている。