スマホやパソコンなどIT製品で定着した「ものづくり」を外部企業に委託するビジネスモデルは、自動車分野に波及するのだろうか。GMはDHLの活用について、ロイター通信に「自動車の製造や組み立てが中心」と説明。従業員がより重要な仕事に集中するための一環としているが、自動車分野にも変化が押し寄せてきた兆しとも言える。
実際に、中国で急成長するEVでは、製造部門の外部委託の傾向が見られる。「中国版テスラ」とよばれる新興EVメーカー、上海蔚来汽車(NIO)は、夏から納車を始めた多目的スポーツ車(SUV)について、中国中堅メーカーの安徽江淮汽車集団(JAC)に生産を委託した。
自動車業界が安全性を重視するため、新規参入は厳しい。2014年設立のNIOは事業を速やかに軌道に乗せるため、JACへの製造委託を決定した。既存メーカーに任せるべきところは任せ、自身はデザイン、ネットとの連携、EVの中核部分などに専念した。創業からわずか3年半で、納車を実現した。自社工場の建設も進めるが、IT業界出身の李斌最高経営責任者(CEO)は、既成概念にとらわれない。