真っ暗闇のなか、人々はそれを目にする前に、音を耳にする。ずらりと並んだ板の間では、無数のゴキブリが大量の食品廃棄物を食べていた。ロイター通信が10日、伝えた。
中国の都市部は埋め立てが追いつかないほどの食品廃棄物を生み出している。ゴキブリは山のように積まれる食品廃棄物を取り除く救世主になり、死後は家畜に豊富な栄養を提供する食品になる。さらには胃病や美顔に用いられる。
山東省済南市の郊外にある某農業技術企業が経営する飼育場内で、10億匹のゴキブリが毎日50トン(象7頭分)の食品廃棄物を食べている。中国は家畜伝染病「アフリカ豚コレラ」の感染拡大を阻止するため、豚に食品廃棄物を与えることを禁止しているが、これは中国のゴキブリ産業の発展を刺激している。山東省虫業協会の劉玉昇理事長は「食品廃棄物の転化と処理について、ゴキブリの利用はバイオテクノロジー的な方法だ」と話した。業界関係者によると、豚やその他の家畜にとってゴキブリは貴重なタンパク質源だ。これはまさに、ゴミを宝にするようなものだ。
四川省の村で暮らす李炳才さん(47歳、音訳)も、同じような考えを持つ。携帯電話を販売していた李さんは100万元を投じゴキブリを養殖し、養豚場に餌として販売するほか、薬の原材料として薬品メーカーに販売している。李さんは「私のこのビジネスを奇妙に思う人もいるが、ゴキブリには極めて高い経済価値がある。その他の村人を率いて共に富を築くのが私の目標だ」と話した。四川省の企業にて、研究者はゴキブリエキスをフェイスパック、ダイエット薬、脱毛治療に用いようとしている。ゴキブリが逃げる可能性について聞かれると、同社を経営する温建国氏(音訳)は、パニック映画のような光景になるだろうと述べた。「当社はすでに予防策を講じている。会社の周りには溝があり、ゴキブリが逃げ出せばその中に落ち、魚に食べられる」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年12月11日