フィデリティ・インベストメンツアジア固定収益部門責任者のコリンス氏は最新の研究報告の中で、現在の評価に基づくと、アジアおよび中国の高収益債券は2019年に資本価値増加のチャンスを迎える可能性があり、投資家は今後6~12カ月の市場の変動に注意する必要があると示した。
コリンス氏は、「2017年の緊縮状況と比べて、高収益債券は利ざやが大幅に拡大し、アジアおよび中国の高収益債券市場は魅力があると言える。2018年5月以降、新興市場の軟調、中国経済成長の鈍化、中米貿易摩擦で市場に暗雲が立ち込め、2019年も変動は続くと予想している」と述べた。
アバディーン・スタンダード・インベストメンツの最新報告は、「短期内の世界株式市場は5~15%の下方修正余地があるが、2019年については楽観的見方を維持しており、良好な企業収益は株価の回復を後押しする。アジア株式市場の長期的展望については、地域内の経済成長と良好な企業の基本面から引き続き受益するだろう」とした。
アバディーン・スタンダード・インベストメンツのアジア固定収益部門責任者の呉子宇氏は債券市場の展望について、試練に直面する新興市場もあるが、安定した成長、インフレ管理、低い債務水準という点から、主要新興経済圏は引き続き好調といえ、新興市場の国債はまずまずの収益率になるとの見解を示した。
また、「中国国内の債券はある程度の投資価値があり、金利が低下する中、他の市場との相関性が低く、ポートフォリオのリスクリターン率の改善を後押しする。当然、投資家は債券発行者の信用貸付を分析し、基本要素、業務素質、企業管理、財政の透明性、投資家保障などを徹底的に評価する必要がある。構造性の面から言えば、中国の債券は向こう数年、各大型国際基準指数に次々と採用され、今後期待できる」と話した。
西洋は明るくないが東洋は明るい
アジア市場を楽観視するのは、西側諸国でポピュリズム、EU離脱などの政治問題が市場に圧力をかけているためでもある。
アバディーン・スタンダード・インベストメンツの報告は、政策によるリスクは市場の今後の動向を左右し、ポピュリズムの政治は欧州とその他の地域の金融市場秩序を乱す可能性があると指摘した。
工銀国際が先日発表した報告は、アジアなどの新興国の実体経済の動向と金融センターの代替効果は市場に反映され、「西洋は明るくないが東洋は明るい」という状況になる可能性があるとした。
報告によると、経済、金融規模、構造に大きく異なるため、高所得国と中等所得国で資産証券化率に差があり、平均値はそれぞれ94%と44%となっている。2007年、新興市場の経済規模は先進経済圏を上回り、世界株式市場の時価総額におけるBRICSの比率も10%の大台を突破した。金融危機を起点にした場合、世界の資産証券化率の10年平均値は85%だが、高所得国と中等所得国の数値はそれぞれ101%と55%で、グローバル経済と金融版図の構造的変化の実質を反映している。2017年末時点で、高所得国の資産証券化率は過去最高(138%)に急上昇し、米株や高収益債券などのリスク資産は長期的に上昇し、評価も過去最高となった。
ブラックロック国際株式投資部門責任者のボルトン氏は先日、イギリスは困難なEU離脱の歩みを開始したため、2019年の中国株はイギリス株より魅力があるとの見解を示した。
ボルトン氏は、「中国株式市場はイギリス株式市場より投資価値がある」と述べた。
この論評はイギリスのEU離脱の不確定性に対して市場で不安が高まっていることを示す。イギリスのFTSE100指数と中型株式指数は2008年以来の最低水準になり、イギリス・ポンドはここ20カ月の最低水準に低下した。
ボルトン氏は、「我々は資金を再び中国に投じている」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年12月15日