ロシアのプーチン大統領はモスクワで20日、大規模な年次記者会見を開いた。プーチン氏は記者の質問に回答する際に、中国の改革開放以降の変化を積極的に評価し、露中の協力は国際情勢の安定と発展を促すと述べた。
プーチン氏による年次記者会見の伝統は2001年に始まる。プーチン氏は今年、4期目で初となる年次記者会見を、3時間40分以上も続けた。プーチン氏は53人の記者からの質問に回答した。その内容は国内政策、経済発展、国際情勢、二国間関係など多岐に渡る。プーチン氏は次のように回答した。
ロシア国内 今年は経済状況が好転
ロシアは制裁の環境にすでに適応している。ロシアの今年のGDP(国内総生産)成長率は1.7%で、財政予算は7年ぶりに黒字化する。外貨準備高も増加している。
ロシア人の今年の実質所得は増加の流れを示し、伸び率が0.5%に達した。この積極的な流れを今後も維持したい。また今年のロシア人の平均寿命がやや延び、通年の失業率が低下している。
ロシアは国内経済の構造改善に巨額の資金を費やし、革新的な特徴を備えさせている。ロシアは経済水準を新たな段階に高める必要がある。
国際情勢 世界軍縮体制が崩壊中
世界の軍縮・軍備競争防止体制が現在崩壊中だ。世界は核戦争勃発のリスクを過小評価しており、核兵器使用のハードルを引き下げることで世界的な核兵器の災難が生じる。
米国が日本にミサイル防衛システムを配備しているが、ロシアはこれを懸念している。ロシア側は米国が日本に置くミサイル防衛システムは、米国の核兵器能力の一部であり、米国の核攻撃システムと同時に運用されていると判断している。
米国が中距離核戦力(INF)全廃条約から離脱したことに対し、ロシア側は新型武器の開発で応じている。ロシアは新型武器で有利になっているが、全体的に見るとこれは軍事バランスを維持するためだ。