京哈高速鉄道の承徳〜瀋陽区間の開通・運行初日の12月29日、旅客を満載した高速列車「和諧号」がゆっくりと、遼寧省西部の朝陽市・牛河梁駅内に入った。
この新たに開通した高速鉄道の全長は506キロ。初期の営業速度は時速300キロで、全線に14駅を設ける。承徳から出発し、4駅目が牛河梁駅だ。瀋陽から牛河梁駅への移動時間は約2時間のみ。
牛河梁紅山文化遺跡は「新中国遼寧10大考古発見の一つ」であり、「5000年の中華文明の曙光」と呼ばれている。
牛河梁遺跡を長期的に研究している文化財専門家の孟昭凱氏は、「高速鉄道の線路と駅は設計上、牛河梁遺跡の中心保護エリアを迂回した。牛河梁遺跡はサービス機能の整備を進め、高速鉄道時代をより良く迎える」と述べた。
1980年代の考古調査により、牛河梁遺跡が日の目を見た。孟氏によると、高速鉄道の開通後、観光客は駅でスムーズに路線バスに乗り換え、わずか30分で牛河梁遺跡に到着できる。女神廟や祭壇などの紅山文化の魅力を一望できる。
牛河梁遺跡から三燕古都に至るまで、遼寧省朝陽は文化が興隆した場所だった。さまざまな原因により、朝陽は発展が遅れ、今や遼寧省で貧困者が最も多い地域になっている。
高速鉄道が「中華文明の曙光」を通過し、現地の発展に新たな曙光をもたらす。
真冬日、朝陽市通晶体科技有限公司の労働者がガリウムヒ素結晶反応容器の密封を行っていた。接合部分からは時おり火花が飛んだ。
このハイテク企業は今年、北京市から移転してきた。フル稼働後の年間生産高は6億元にのぼる。ライン責任者の胡成斌氏は「当社は高速鉄道開通後の、朝陽の交通面のメリットに期待している」と話した。情報によると、同社を含む北京・天津・河北の400件以上のプロジェクトが、朝陽と契約を交わしている。
朝陽市委員会書記の蹇彪氏は「高速鉄道の開通・運営後、全市5県のすべてが高速鉄道とつながることになる。これは正確な脱貧困に新たな活力を注ぐ」と述べた。
蹇氏は、高速鉄道時代が朝陽にもたらすのはヒト・モノ・資金の流れ及び産業集積のみではなく、観念の衝撃と変化をもたらすと考えている。「これは黄金よりも貴重だ」蹇氏は、朝陽という古い都市は歴史的な発展のチャンスを迎えると話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年1月5日