2018年11月末時点の中国の外貨準備高は約3兆900億ドルと、ここ2年ほど安定的に推移している。中国の格付け会社、東方金誠国際信用評価の王青チーフマクロアナリストは2日、『証券日報』の取材に応じ、国際通貨基金(IMF)の異なった為替レート制度や国境を跨ぐ資金移動管理モデルのいずれの試算においても、中国の外貨準備高は余裕ある水準を保っているとの見方を示した。よって、外貨準備高は中国のマクロ経済の安定運営を支える力になるといえよう。
王氏は、「外貨準備高に示されるのは、その国の対外支払い能力と外債に対する保証能力だ」と述べた。このため、適度に余裕のある外貨準備高は、中国のマクロ経済と人民元レートに対する国内外市場のセンチメントの安定につながると指摘。国内のマクロ経済運営に正常かつ有利な外部環境を提供することができ、マクロ経済を安定化させる機能を発揮するだろうと述べた。
国家外貨管理局の報道官でチーフエコノミストの王春英氏は、このところ国際環境が複雑化し、外圧が強まるなか、中国の為替市場は総じて双方向に変動し、概ね安定的に推移しているとして、どちらかへ大きく振れるような傾向はみられないと指摘。これは、中国経済が安定的に運営され、為替市場の参加者がより理性的になり、外部環境の変化に対する適応力が向上し続けていることを示すものだとの見方を示した。その上で、今後とも中国が市場化改革の深化と高水準の開放拡大を堅持し、経済の健全な発展維持に努めれば、為替市場の安定基盤固めにつながるだろうと述べた。